第3話羽奈の彼氏

羽奈の家の近くに、お地蔵様が

おらっしゃる。


赤いよだれ掛けを掛けて

丸い顔。


白いよだれ掛けを掛けて

さんかく顔。


黄色よだれ掛けをかけた

四角い顔


奏がたまたま通りがかった。

お参りしょうと野口さんを三枚上げ

ようとした時。


「あ、あ~あ、この注意書きよま

なぁ~あかんよ。

 お地蔵様は一体選ぶんじゃ。」


「そうなんですか?」

(羽奈と結婚させて下さい。)


お爺さんは

「浮気せんことじゃ、なすれば

 嫁さくるでのう。」


赤い甚平姿の、お爺さんはバケツと

箒を持って去っていった。


「浮気は良くないよぉ。」


3歳位の、子供の声がした。

可愛い女の子の声だった。

空耳か奏はキョロキョロと回りを

見渡すが誰も居ない!


ドタドタ、ドタドタ

教室に実帆が走り込んできた。

弁当を、開けて唐揚げを、食べよう

としていた口がアーン止まる。


    「どうしたん。」


「キタキタ遂にウチのクラスに━━

先輩が、御宮司先輩が、しかも

大龍先輩付だよ。」


「ん。御宮司先輩って誰すか??

なんで二人興奮してんの?‼」


「・・・」


「羽奈はハア〜」

実帆は小さくため息をつく!


「あの有名な、先輩を、

 知らんとは?」


「ミーハーじゃないもん。」

羽奈は口を尖らせてブーたれる。


「マジで言ってる?」

目の前でびっくりしている歌音に、羽奈も 逆 ビックリした。


     「え!~ソンナ驚クコト?」


やがて女の子達の、キャキャー言った声が近くなってくる。


羽奈は、唐揚げをほうばって

鼻の穴を広げ呼吸。

お口、パンパンにモグモグしていた。



ガラリと開いたドアに振り向くと

身長180位のマッシユウルフで少し

緩めのカールのかかった、柔らかそうな髪をして眼鏡を掛けた、

キッチリとした身嗜み

凛々しい男の人が立っていた。


その横でむっつりした目のきつい

荒い髪を流した叉違ったタイプで

日本男子的な男の人がいた。


身長は、182か3

二人ともあんまりイヤイヤ、

絶対関わりたくないタイプだ、

くわばら、くわばら。


もう一人の、目付きの悪いカレは、

ヨレヨレのネクタイに腰パン

睨みの効いた眼力でクラスを一周‼

りょうポケに手を突っ込んだ

オラオラ系

関わりたくないチョ━危ない系


羽奈は眼鏡の奥から覗く切れ長の

少し垂れた可愛らしい目をして

パンパンの口をモグモグさせ鼻で

スースと息をした。



「ん?ありゃりゃ良く見たら・・

あれって‥(´⊙ω⊙`)もしかして?

アイツってまちがいなくね⤴‼」

    モグモグ

(銀杏、踏んでた、ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”

すねっかじりの、スネやん?マジでスネやんやんけ?

唐揚げを、ゴクッ”


前を見ると、歌音と実帆が

制服の胸の前で指を組んで目が

ルンルンハート♡♡➽バシバシ

になってた!


二人を交互に眺めるが止まっている。

実帆と歌音のウルウルした目も先輩

2人を交互に眺めている。

(イケメン好きめ!!)


スネやんは、しばらく何かを

捜すように教室を眺めていた。

羽奈は弁当をŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"ŧ‹"

伊達メガネに三つ編み、お口は

飯でパンパン‼


ハァースネやんは深い溜息を

つきながら

何人かの付き人と静かに出て行っ

たが、女の子のキャキャーは長く

響いた。


「御宮司先輩って、ヤッパリ

         いい男よね❤」


「ウンウン❤

大龍先輩もカッコイイ♡♡♡。」

 実帆がうっとりとしている。



「そ、そ、真面目ヨネ。」


うるうるした目で歌音が囁く。

ブブッ`;:゙;`;:、、

飲んでたお茶が喉にひっかかった。


ゲホッゲホッ


「こら!! 羽奈。先輩達があんまり

かっこいいからって、喉に詰まった

か?。」


歌音が背中を慌てて摩る。


ゲホッゲホッ

(逆なんですけど、すねやんが

真面目??あり得まへんがな。

それに大龍先輩?睨みすぎ‼。)



「ヤッパリ居なかったんだね。」


実帆と歌音は気の毒そうな顔をした。


「何が居なかったん??」

「“黒い宝石だよ”。」


「ん!」

  (なんじゃそれ!)

羽奈は興味津々食いついた。


「先輩、この学校に好きな孑が居る

らしくてさ。」

«モグモグへぇー»

気のない相打ちを打つ羽奈、目は

弁当に・・・➡

(あっ、私のタコさんウインナー🐙) 


羽奈は赤い箸に挟まれたタコさんが

垂直に実帆の口にŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”ŧ‹”

ゴクンと消えて行くのを目で追った。


「ずっと探してるんだよ。」

ヘ‼ワタシノ 🐙サンウインナー食われた


歌音は自分の弁当を、開くとアス

パラの肉巻きを、羽奈の口に、ポイと放り込んだ。

羽奈クエッ‼


開いた目がタレる。⌒ ͜ ⌒

「マジウマ~ァ!」


実帆が羽奈のご飯と歌音のご飯に

振り掛けを、かけた。


実帆が自分の弁当を、広げると

一斉に誰が誰の弁当か分からない位に箸が、飛び回る。



歌音のお母さんも、実帆のお母さんも料理上手だ。


家のママは食えたもんじゃない。

お婆ちゃんは、田舎でも有名な

料理上手。TVの取材も入る程。

だから、ママとパパのお弁当は羽奈が

作っている。


「羽奈のママは、料理上手だね。

毎日美味しい。」

「՞ ՞ ՞そう‥かな? 二人のママの方が旨いよ絶対υ!」



羽奈が食べ終わる頃、

奏が教室に帰ってきた。


また違ったキャキャーがお出迎えする。



隣には奏の手をしっかりホールドした紗耶香が横に、ベッタリ張り付いている。


甘い顔に、アーモンド型のちょっと

垂れた目、男の子にしては綺麗な肌、身長183


そう彼は羽奈の彼氏!


      宝生奏❤ 



俺が羽奈と合ったのは,一学期始ま

った頃、夜遊びして、眠気がヤバかった日。

頃桜の木の下で寝ていたら、

やけに可愛らしい子が、心配げに

大丈夫かと聞いてきた。



「う‥ん、」


「ね、ね、大丈夫??」


俺は三つ編みのゴムを、軽くひくと、ぱらっと、落ちた黒い髪がやけに綺麗で目が覚めた。


心配そうに見上げてくる目が可愛

らしくって愛らしくて、取り巻きに

は居ないタイプだった。



クラスの中でも歌音、実帆、羽奈は

仲良しでキャキャー言って韓国の

グループにのめり込んでいる。



3人で良くコンサートにもいって

るとか。彼女が眼鏡をかけてやっと羽奈だとわかった。



そう、俺は羽奈に、

“ひとめ惚れ“ してしまった

何度も何度も告ってフラレ、フラレやっとOK を貰った。

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