第2話御宮司との出逢い。


そんな俺に彼女は、冷えた事を言う。

「は?๑`ȏ´๑お前の方が、

見るからにあぶねえんだよ。

なんて、格好!幾つダヨ‼」



      「えっ!」

その一言に怯んでしまった。

顔に似合わず辛口‼


「お婆ちゃん いこう。」

彼女は優しい顔を婆さんに見せ

て又歩きだした。


近くの銀行に着くと

彼女は銀行員に、痴呆症である

事を告げて


「お婆ちゃん、またね。」


と手を振った。


「あ!!待ちなさい。」


婆さんは持ってた、バックを

焦りながら


「これで、ジュースでも飲みなさい。」


それは、コインでなく、お札でも無い‼


一瞬、呆気に取られた彼女に向けて、バーちゃんは、2本のストローを

手渡した。


「はいど━━━━ぞ‼」



えっ!.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ




「う‼ぷぷぷ、プハ~ハハハアヒャヒャ

(((wʬʬʬ∵ゞ(´ε`●) ブハッ!!

確かにアハハハハ確かに飲めるな!」

アハハハハアハハハハアハハハハ


我慢出来ず笑ってしまった。




「アヒャアヒャwププププ」

ムカー💢⚡

彼女に、ギロと睨まれギョッとした。

俺にも婆さんに礼を言えみたいな

顔を向けてくる。

俺を見ながら顎でクイクイ


俺は「どーも」とぺこりとした。


この、婆ちゃんは、親父の病院に入院していた。痴呆症だった、


まだ俺が真面目君だった頃、暴れる婆さんを取り押さえて、宥め

病室に連れ帰った事がある。


だから間違いない。



婆さんを預けたあと彼女はスタスタ

俺はブーたれた顔をして無言で歩く‼


彼女は、元いた場所まで来ると、

俺のバイクを見て、



「あー良かったぁー

バイクあったね。

心配して付いて来てくれたんで

しょう。 ありがとう。」


そう言うと初めてニッコリとして

俺を見た。


置きっパのバイクが盗まれないか

心配していたのか?


だからあんなに早足で歩いて

いたんだ・・納得‼


彼女は真っ黒な綺麗な髪をして

黒々とした目を見せて聞いてきた。


「ヤンキ-なんでしょう。

なんで?

優しい所があるのに?

お金にも困ってい無い

みたいだし。」


「まあな。

金には困らねーよ‼」

(///ω///)

俺は彼女の長いまつ毛に見とれて

しまった化粧もしないスッピン

俺のオンナ達とは全く違う。



「学生?」

彼女は俺に聞いてくる

「…微妙」

と素っ気なく返す

「遊んでるの?」

初対面のオレに彼女は質問攻め

「(-"-)見たらわかんだろ💨。

必殺遊び人だ」


高身長の彼はカラコンのグリーン

の目をして私を睨むかのように

見て言う。


  「親は、何にも言わないの?」


「言わないんじゃねえよ、

 言えね━━んだよ。」

「………」


「お小遣い、月に幾ら?

幾らもらってんの?」




「20。」


「20万・・・」



     「凄い。」



金額を聞いた後、彼女の目の色が

変わった。

(何だ、取り巻きの女の子と、同じ

じゃないか。)


「遊んでやるよ。先ずは食事だな。

乗れ,食わしてやるよ‼」


俺がメットを渡すと‥

大きな黒い、瞳をまん丸にして、


「結構です。」


そう言ってキッと睨んだ

「すねかじりと、遊ぶ暇無いんだ。

晩御飯作らなきゃだから‼

💢 それから銀杏!」



「銀杏?これか?」


俺は落ちてベチャベチャな黄色

実を、足でコロッコロッとした。

ウップ”くっせえ!”



「踏まないで、それ食べ物だから。」

私大好きなの、毎年楽しみに

してるんだから。」


素手で触ると臭いし、かぶれる

人もいるの、だから手袋で

拾うの。


白い殻の中身を食べるんだよ!

すっごーく美味しいんだから。

あ‼そうそう、食べすぎると

ビタミンB6が欠乏して

ヤバイの、食べ過ぎは注意‼。



そう言うと、

制服のポケットをあさると、さっき

もらったストローを俺に渡してきた。


「だいじに使えよ。ホイ」




彼女の体温で、生暖かい温もりが残るコンビニで婆さんが貰った

で、あろうストローは

俺の心にグサリと突き刺さった。


それから、振り向いた彼女は

綺麗な髪がサワワと揺れ、

澄んだ瞳で、


「親に文句言いたかったら、先ずは

20万稼いでみなよ。


 結構な生活されてますね。

スネかじりで親に文句言うな!

何が気に食わないか知らんけど

自立してから文句言え!」



と、俺の目を見て、イヤミたらたら

に言ってのけた。


「ウチは20万で家族全員の生活を

立てていると言うのに!

学費から支払い

 食費まで、五人分!! あなたは、

遊べるお金でしょう。

 もっと、使い道考えたがいいよ。

ボンボン‼」




足元で、過激な異臭を放つ銀杏は

俺のようでもあった。



可愛らしい顔をしながら、厳しい

事を、躊躇いもせず俺を諌めた

赤い唇は、まるで尖ったハサミの

様にチョキチョキと硝子の心を

えぐり切り裂いた。




俺に説教かますとは、生意気な‥




でも俺を奮い立たせた責任は、

とって貰うぞ!!


髪を、右に左に揺らしながら駆けて

行く愛らしい姿を、俺はいっまでも

見送っていた。


腐れ落ちた銀杏が、大好きだと

言った彼女は糶林高校一年

とだけ分かった秋の日の

曇りがかった空は

又、雨を降らせそうな重たらしい

雲がかかっていた。



ピアスやネックレス、指輪を売っ

たら30万になった。


質屋で30万か‼

どれだけ散財して来たんだろう。

ヤケになって遊び回った。

全部親父の稼いだ金・・・

親父の金は俺を蝕むのに充分な金額


親父に反発するのが馬鹿な目標。

これじゃ親父と一緒だ!




売ったその金で服を買い、笑わなくなった母親にベコニアの鉢植を、

かなり大きめの赤とピンクと白の混ざったやっを買って帰った。


笑わなくなった母親に芸人のDVDを

つけてあげた。

笑わなかったが目が優しくなった。


母を苦しめた父親と同じくらい

俺も母を苦しめていた。


彼女の20万稼いでみろ宣言が

それに気づかせてくれた。


金を俺に振り込んでいたのは

無表情で、感情を出さない母親‼

そんな母親にも反発していた。



次の日、髪を切った。


パーマのかかった金髪がばさばさ

と落ちていった。

黒くなった髪は前のまじめ君に

戻っていた。


前のように勉強した。


学校にも復学した。3ヶ月を過ぎて

なかったから留年せずに済んだ。

勉強は休んでいても、またトップに

返り咲いた。


    「どんだけ 頭いいんだ。」


親友の龍祐や達樹が常に俺の回りに

いてくれた。

自暴自棄になってた俺に目を覚させ

またこの世界に戻してくれたのは

毎日俺を探し説教かましていた

こいつらでも無い‼


甘酸っぱい天使は、

この学校のどこかにいる。



探し回るが見つからない!

一年生も特進を、入れたら10組も

ある。俺の黒いダイヤモンド

どこで静かに光っているんだ。


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