第23話⁂誰かが?⁂



2019年メイが殺害される1ヶ月程前の事です。

この2人の争いを暗示していたかのような稲光が無数に走り、雷が恐ろしい爆音と勢いで鳴り響いています。

「フン!33歳も年上のオジサンと結婚しようだなんて只の財産狙いとしか考えられない!」


「私は賢伍をず~っと前から好きだったの!」


「絶対に結婚は反対ですからね!」


「賢伍も結婚の意思があるので誰が反対しようが結婚します!」


会社と深い親類関係者が話しているのか?




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刑事の田中が賢伍に執拗な取り調べを行っています。


「田所さんあなたは家であの日は娘さん2人と居たと言っていましたが、あなたのアリバイは崩れていますよ。社員の松井さんの証言では、あなたは会社から7時頃車でメイさんと帰る所を目撃されています。それとエドナちゃんもあの日は夜の7時頃竹下通りで見かけたと言う証言も取れています。一体どういうことですか?」


「8月某日土曜日。確かにあの夜の7時頃会社を出て車でメイをマンションに送りました。その後8時過ぎに自宅に到着して娘2人とテレビを見ていたのです。会社からマンションまで20分余り、それからどんなに急いでも、あのマンションから自宅までは車で30分は掛かります。それからあの日はマンションに入らなかったので防犯カメラを見て下さい。だから私じゃありません。マンションの中で殺害されていたんだから!」


「そうですか?それでは誰か心当たりは有りませんか?」


「そう言えばメイは妹真弓の夫満君とはどういう訳か折り合いが悪かったですね~?メイが口うるさいと満君がよく小言を言っていました」


田中は部下の山下と早速今井満の聞き込み調査を行っています。


すると満と妹真弓はその日は娘の嫁ぎ先の大阪に1泊2日で行っていた事が判明したのです。


「真弓の夫満と妹真弓は容疑者から外れるな~!」




************


賢伍が誰かと話し合っています。

一体誰なのでしょうか?


「俺、結婚するかもしれないから?もう電話してこないで!」


「酷い!今までの事は何だったの?あの時言ったでしょう。譲は賢伍の子供だって、あなたが大学4年で私が社会人1年生の時に出来た子供は賢伍の子供だって言ったじゃないの!それなのに今更秘書と結婚だなんて?私と譲はどうなるの?」


「会社の同僚和哉さんと結婚したからてっきり譲君はその人の子供だと思っていたんだ。それからどうしても相談が有るから会って欲しい!お前がそう言って電話してくるから会っていたんじゃないか~!」


「夫の和哉は半年前にガンで亡くなったから、賢伍も独り身だし、私も未亡人になったから、これからはやっと親子3人で会う事が出来ると思ったのに酷いじゃないの~!それから譲の事だって相談したくても、あなたフィリピンによく行っていたから連絡取れなかったんじゃないの?」


「そんな話今まで真剣に話し合ったこと無かったじゃないか~?第一証拠も無いのに信じられない?」


「酷い!私を疑うの?それから夫が生きている時にこんな話したら大変じゃないの、夫に半殺しの目に遭っちゃうわよ!DNA鑑定が済むまではその話は進めないでね!」


賢伍と誰の会話なのか?


この後メイが無残な死を遂げたのです。









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