第22話⁂メイ殺害動機?⁂




{メイは賢伍とひょっとしたら結婚出来るかもしれない?}と喜び一杯です。


じゃ~!賢伍の気持ちは本当にメイに傾いているのか?それは本当です。

もう年齢的に愛だ恋だと浮足立っていた頃とは違います。

ず~っと傍に寄り添ってくれていたメイといるひと時が一番落ち着くのです。

決して綺麗じゃないメイですが、頭がよく仕事も出来ます。

まあ勿論小児性愛者だと言う事をバラされたくないと思う気持ちも大きいのですが?



夜だというのに地の底から蒸したてられるような暑さの2019年8月某日。


メイは仕事も終わりやっとマンションの一室に帰って来ました。

足早にシャワ-を済ませバスロ-ブに身を包み

「ああああ~疲れた~!ビールでも飲もう」


すると誰かの影がカーテン越しに映ります。


「ダッダ誰!」


「ウッフッフッフ~!」


「キャ————!」


メイは何処からともなく勝手に侵入していた人物によって殺傷力の高い両刃の刃物で数十か所も刺されて変わり果てた姿で発見されたのです。


しっかり施錠されていたこの部屋に侵入出来たという事はもしかして犯人は

賢伍?

このマンションの所有者賢伍が真っ先に疑われて厳しい取り調べが続いています。


「死後硬直状態で死亡時刻が判明しました。あなたはあの日の夜8時~11時位の間どこに居ましたか?」


「エエエエ———!私は絶対メイを殺していません。あの日の夜は家にいました。メイとは結婚の話も出ていたのです。そんな~?グウウウ~!ウウウ~!😭」


「家には一人でしたか?」


「娘が嫁いで、新たに継子に迎えようと思っている娘パメラとエドナと一緒にいました。」

「そうですか?じゃ~!今日の所はお引き取り下さい。」


パメラとエドナに聞き込み調査を行った結果、夜は一緒に居たとの事。


「まあ~身内の証言は当てにならないから先ず徹底的に調べよう!」


すると重要な証言を得る事が出来たのです。

エドナの友達の順子が偶々夜7時頃竹下通りに差し掛かった時に、向かいの通りを歩いているエドナと真理を一瞬ですが偶然見かけたとの事。


実はパメラは家にいましたが、エドナはお友達真理とあの日は竹下通り行っていた事が判明したのです。

友達と帰る所を偶然目撃されてしまったのです。

何故そんな噓を付いたのか?もし犯人でなければ偽証する必要は無い筈。


「益々社長が怪しいな?」

刑事の田中は徹底的に社長の動向を調べています。


すると賢伍の会社の社員の1人松井から重要証言を得る事が出来たのです。

最後に社長とメイを見た従業員の証言です。


「あの日は土曜日で社員の殆どは出社しておらず、僕はお客様に渡す重要書類を偶々取りに来たのです。そして足早に帰宅しようと駐車場に向かった時に2人が車で出て行く所を偶然目撃したのです」


あの日2人は同じ車で夜の7時頃会社を出たそうなのです。


もし社長が犯人ならメイに小児性愛者だという事をバラされたくない為に殺したのか?

そんな軽はずみな理由ではない筈。

あの結婚を考えていると言った言葉はその場を繕う為の噓だったのか?


あんなに真面目に仕事一筋のメイを殺害しようとする者など見当もつきません。

一体誰がこんな惨い事を?


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る