第12話⁂美登里が家を出て!⁂

2002年妻美登里が出て行って早半年***

4月上旬満開の桜が咲き誇っているにも拘らず、賢伍と江梨菜には今年の桜はやけに寂しげな形相に写っています。

毎年この時期に家族で出掛けた田所家の大イベント桜前線縦断の旅も今年はお預けです。


それでもあの貞節な妻でもあり母でもあった良妻賢母の変わり果てた姿を永遠に見させられる事を思えば寂しさもなんのその。


父賢伍は寂しさ半分、これでやっと自由になれた気持ち半分の何とも微妙な気持ちにさいなまれています。



そして賢伍の新しい異様な第2章のステ-ジの幕開けが。

賢伍は小児性愛者、もう初潮を迎えた江梨菜を弄ぶ術はないのです。


ただ美しい花や彫刻でも眺めるように江梨菜を全裸にして眺めるのです。


ある時は全裸で股を大きく開いていやらしい仕草で誘うポ―ズを強要するのです。「アアアア!もっと~!もっと~淫らに!おおおお~!」

又ある時は髪に真っ赤な薔薇を飾りスパンコールの真っ赤な超ミニのワンピ-スを着せ美しい生きる最高傑作を眺め酔いしれ堪能するのです。………。

更には着物をはだけて淫らに………。


完成された美しい江梨菜をまるでお気に入りのコレクションでも眺めるように毎夜毎夜繰り広げられているのです。

「ああああ~!江梨菜は本当に美しい……嗚呼~!」


江梨菜は只々フィリピンの家族を救う為に、父の狂った性癖に無理やり付き合わされています。


********

それでも16歳で芸能界に飛び込み早4年………。

父からやっと逃れられると思っていたのに、大切な仁が事故であっけなくこの世を去り悲しみに打ちひしがれています。

あんな卑劣な父ともやっと縁が切れると思った矢先の事故。


それでも何故⁉若いまだまだこれからの2人がこんな生き馬の目を抜く、いつ消えるかも知れない不安定な芸能界でこんな向う見ずな事をするのでしょうか。


まだ24歳と20歳の2人が結婚したいとはどういう事なのか?ましてや江梨菜は父と縁を切ってしまえばフィリピンの家族を路頭に迷わせるのは目に見えています。


実は仁は山陰地方の地方銀行山北銀行の御曹司なのです。

銀行も安心安定の50周年を迎えたばかり。

その為2人は結婚に踏み切ったのです。

それがあんな悲惨な事故に巻き込まれ打ちのめされています。



{愛する仁を失いもうどうにでもなれ!何も怖いものなどない!

只父賢伍からどんな事をしても逃げ出したい!その為ならどんな事だって出来る!只フィリピンの家族だけは守りたい!}


まだ20歳そこそこの娘が、この様なか細い肩に背負いきれない大きなものを背負わされて可哀想に!本来ならば一番輝いている一番楽しい時代の筈が………。



そして江梨菜は類まれなこの美貌と抜群のスタイル更には独特のオリエンタルな世界観を持ち合わせた個性を生かし芸能界の頂点に上り詰めようとしています。

どんな事をしても上り詰めて見せる!!!











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