第13話⁂仁の死の真相!⁂

2008年5月もうすぐ21歳の江梨菜は仁との結婚に向けて慌ただしくなっています。

両方の事務所も今一番旬の2人の結婚に猛反対。

勿論フィリピンの家族と賢伍も猛反対です。


何故⁉フィリピンの家族が反対するのでしょうか?

金持ちの仁と結婚すれば仕送りなど容易い事、何も心配はいりません。

それなのにどうして?


実は賢伍が江梨菜を離したくないばかりに『江梨菜の事を全て仁の両親に打ち明ける』とフィリピンの家族を脅していたのです。


それでも2人の気持ちは強く駆け落ち同然でも結婚すると言うのです。

又仁の両親も結婚の報告を受けて例え不動産王の異名を持つ父親の娘と言えどもそこは地方銀行の頭取の事『用心には用心を!』に越したことはありません。

興信所を使って調べ上げています。


全てを知った仁の両親からフィリピンの家族に『金輪際江梨菜と関わりを持たないで下さい。さもなければ結婚は許しません』

との通達が………。

仁の両親も変な輩にうろつかれては、これからどんな事が起こるやもしれません。

息子が『どうしても結婚したい』と言うので苦肉の策です。


そんな、窮地に立たされているフィリピンの家族に賢伍が「俺は江梨菜が仁君と結婚さえしなければ仕送りは永久にするつもりだ。保証する」と言われ最終的な話し合いが持たれたのです。

江梨菜のマンションにあの日訪れていたのは若輩ながら家族一のしっかり者19歳の江梨菜の妹メイだったのです。


そしてその数日後大型トラックと正面衝突して仁は帰らぬ人となったのです。

一体事故なのか?事件なのか?


▲◇▲◇▲◇▲◇▲◇▲◇▲◇▲◇

仁がこの世を去り早5年あれだけの人気を誇っていた江梨菜も不遇な時代を送っています。


そんな時に江梨菜には一抹の不安が押し寄せてくるのです。

それはどういう事かと申しますと?

永遠という事は絶対にありません。

{あれだけの人気を誇っていたにも拘らず新しいスターが現れれば自分の居場所などあっさりと奪われてしまう。


賢吾だって今はおカネに糸目を付けず湯水のごとく私にお金を注いでくれる。『例えば江梨菜主演の映画のチケットや江梨菜主演の舞台チケット等大量買い占め、その他諸々』

けれども私よりも若くてお気に入りの新しいオモチャが出来たら一体どうなる?

何の保証もない継娘などとんでもない!莫大な資産を何としてもこの手に!その為には何としても養女にして貰わないと!今まで我慢に我慢を重ねて来たのに酷すぎる………!何とかしなくては?}

江梨菜にはある秘策が???


********


2013年26歳になったばかりの江梨菜は何としても一人前になりたい一心でクラシックバレ―や演技指導更には声楽と多義に渡り個人レッスンを寝る間も惜しんで受けています。



不遇な時代を送っていた江梨菜ですがそんな努力の甲斐もあり舞台サウンドオブミュージックの主役マリア役を射止める事が出来たのです。


元々はフィリピンの血を引く江梨菜は抜群の歌唱力と血の滲む努力のおかげで、

大喝采を浴びる事になったのです。


サウンドオブミュージックの冒頭に山々を歌い踊りながら妖精のように美しい主人公のマリアが奏でる歌声の美しい事。

伸びやかに美しい声で歌うサウンドオブミュージックの余りの美しい歌声に観客は魅了され酔いしれ江梨菜は再び表舞台に躍り出る事ができたのです。








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