第147話 食後のデザートにペロリされました。

 わたしたちは肉を焼いては口に運び、震電にも余さず肉を食べさせる。


 自分で自分に驚くほどの健啖ぶりを発揮、アスリートもかくやの勢いで食べて飲んで、また食べた。サバイバル生活のはずが体重が増量する予感さえあった。


 食後、わたしたちはだらしなくベッドに転がっていた。


 本来なら早く水浴びに行きたいところだが、如何せん食べ過ぎて動きたくない。どうせ三人とも汗だくの少女たちである。言ってはなんだが、色気が完全に行方不明となっている。だがしかし、ここは女の巣。異性の目がないので気にも止めない。


「満腹がひと段落したらさ、カッターシャツとスカートを川で洗わない? あ、下着持っていくの忘れずにね。全裸で歩くのも新たな扉が開きそうで面白そうだけど」


「タマちゃん、それって帰りはブラとショーツだけで……?」


「うん。どうせ誰も見てないし。今だってノーパンノーブラの痴女だよ」


「痴女とか言うな。わたしは一応、胸にはタオルをさらし風に巻いているぞ」


「そうなの? ああー、そっかそか。巻いてなかったら胸が大暴れで作業できないもんね。いいよね、たゆんたゆん。そこに痺れる憧れるぅ」


「不意に動くと胸に反動が着て、思わぬダメージを受けるからな……」


 そんなダメージ、わたしなどはこれまでもこれからも受けませんが、何か。これが持つ者と持たぬ者との格差社会なのだろうか。


 と、そのとき。ベッドの下に潜り込んでいた震電が這い出してきた。


 入力ゴハン後の押出しに出力トイレにでも行くのかと目で追うと、なんてことはない。川の字に寝そべる三人の足元に来て、定位置確保と言わんばかりにわたしのスカートの中に潜り込んできただけだ。んふう、と熱い息がわが股間部と太ももにかかった。


「あ、またこの子ったら甘えて。なんでそんなところが好きかな?」


「大好きな人の濃い匂いって、とても安心するか、堪らなく興奮するものなの……」


「ミコトが言うとすっごい説得力があるなぁー」


 わたしのショーツのクロッチ部分に顔を埋めていただけに。


「話をぶった切ってすまんが、あと一時間で燻製屋台骨を洞穴内に入れて肉の熱を取る工程に入るからそのつもりでいるように。時間までは好きに乳繰り合うと良い」


「じゃあ、それなら。タマちゃんの可愛らしいおっぱい吸わせてぇ……」


「サキ姉ちゃん、もう、変なこと言うからミコトが変な気になってきたじゃん」


「食欲と性欲は同居できぬとどこかで聞いた覚えがあるが、なるほど食後になれば性欲は発揮できるのだな。焼肉を食してオヤジ逢引き、みたいなものか」


「冷静な分析はともかく!」


 さっそく人のカッターシャツのボタンを外して、ミコトがわが胸のぼっちりを吸おうと顔を寄せてくる。それを全力ガードするわたし。

 むう、と不満そうに強引に顔をねじ込んでくる美琴。ガードする手の指先に舌を這わせてくる。びくっ、と反応するわたし。


「やっべえっ、ミコトの舌遣いが悪魔的だよっ。指先を舐められだけで下腹に物凄いが来る! うわ、超恥ずかしくて超切ないっ! ムラムラする!」


「たわけ。大声でいう内容ではなかろうが、まったく」


「数日ぶりにタワケを頂きました! あっ、あっ、どうしよっ。癖になるかもっ」


「いつでもどこでも、どんなところでも、心を込めてぺろぺろするね……っ」


「ふむ。ならばわたしも少し、可愛い義妹で食後のデザートを嗜むとするかな」


「やめて、やめて。ちょ、お姉ちゃん。耳を甘噛みとか、それ、力が抜けるぅ。ああっ! 脳内に花火が上がるっ! 凄いの来る! にゃああんっ!」


 三人と一匹が仲睦まじくしているうちに、一時間はすぐに過ぎていった。





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