第138話 隷属解放の乱事件 救出劇の後で その3

 わたしは一度ここで話を切った。語り部の自分がダレてきたのだった。


 ここは化石巨木の洞穴。

 サバイバル状況下でのわたしたち三人と三体と一匹の拠点。


 三人の少女が自作ベッドで寝そべり、互いの胸を揉み合う、ヘンテコな状況下。


「話をぶった切るけどさ、榛名のご当主が持ってきた書簡の中身に興味はない?」

「えっ、うん。興味はあるけど、秘密なんじゃ……?」


「もちろんミコトに言えない部分もある。でも、大半は喋っても大丈夫」


 わたしは突っ込んだ美琴の胸の、乳首の周りを指先でくるくると優しくなぞった。

 くぐもった声で敏感に反応する彼女。うふふ、滾る。心が勃起しそうだ。


「これはミコトもサキ姉ちゃんも関係あって、一族の胸の大きさについてなのよ」


「どういうことだ、タマキよ」


 わたしは咲子の巨乳、その乳首を、突っ込んだ手の人差し指と中指の間に柔らかく挟み込んだ。そうして一度だけ指でくっと挟む動作をし、その後は乳輪だけに指を這わせる。乳首を愛撫するテクニックは、その辺のAV男優より上手いと自賛しよう。


 二人とも、甘く切ないような声を、口の中で押し殺した。ぐふふ、滾る。


「うちの一族って細くてプロポーションの良い女ばかりでしょ。しかも美人だらけ」

「う、ん……っ。タマちゃん、ちゃんと触ってくれないとわたし……っ」


「彼女たちの胸は基本的にEとかFサイズ。腰は括れて、セクシャルバイオレット」

「ぐ、う……。この生殺し感……っ。く……。早く殺せ……っ」


 何その野生のオークに遣り込められた姫騎士のワンシーンみたいなセリフ。


 ともあれ楽しんで頂けているので、そのまま乳いじりを続行したまま話を進める。


「一方、わたしの母さんは、仮に今も家にいたとして、知らない人がわたしら母娘をみてどう捉えるだろうね。答えは、姉妹。しかも姉役は、娘のわたしになる」


 母の身長は、自己申告では百五十センチと言ってはいたが、実際は百四十センチくらいのはずだった。胸は平坦極まる地平線。強いて言うならAAAサイズ。


 その容姿容貌は、小学生中学年から高学年になるかどうかの年かさで、実年齢を完全に無視した恐るべき母親だった。信じられないだろう? でもホントなんだよ。電車とか子供料金で乗れるから。大人と子供を料金分けしているところは、例外なく子供料金で行ける。逆を言えば酒たばこ、成人指定ものは一切ダメになるけど……。


 つまるところリアル合法ロリ。

 混沌ロリ邪神の響も大概なアレだったが、わが母も大概だった。


「どうやらティンダロスでの性的美的感覚と、人間世界の性的美的感覚とではズレがあって、くだんのあの世界では幼顔ツルぺたイカ腹合法ロリが絶世美女で、それがゆえに該当する一族の女性には、ロリに比例して強大な加護が付与されるらしいの」


「そ、そうなの……?」


「うん、何が言いたいかというとね。ミコトの胸ってCじゃん。われらが一族では小振りに分類されるじゃん。サキ姉ちゃんの爆乳はIじゃん。さすがにこのレベルの乳は一族でも一握り。そういや南條公平イヌセンパイの母親の胸ってサキ姉ちゃんよりも凄いらしいのよ。会ったことないけどOとかPとか、乳サイズがまさにOPおぱぁい」


「かの男の母親は、そんなに凄い胸をしているのか……?」


「うん、そうらしいわ。あと、ミコトは小顔で肩幅が狭くてちょっちロリで最高に可愛くて、サキ姉ちゃんは胸は大きいけどそれ以上にね、容姿が同性に好かれそうな細身高身長で怜悧なマスクの王子タイプ。わたしも姉ちゃんのこと大好き。よし、二人ともセックスしよう。……ただ、二人とも、一族からすれば異端。だってうちの一族の女性って誰もが多情的美人で、胸はEかFで腰が括れて手足も長く、尻はきゅっと桃尻のハイプロポーション。男を誘蛾灯の如く引き寄せるワガママスケベボディ」


「うん、せっくすしよう」

「よし、せっくすしよう」


「いや、そこだけ切り取らないで」


「「せっくす」」


「……極端な話、一族とわたしたちとは、美の方向性が違う。で、そういう画一的な女ばかりで判断が非常に難しかったみたい。たとえ千数百年をかけてもね。結果、わたしらを通して見えてくるのが、幼な顔ツルぺたロリほど魔力全般が向上して、サキ姉ちゃんみたく爆弾プロポーション過ぎて大いなる乳神さま御来光だと魔力が減る傾向にあるってことに。ティンダロス的には、母みたいな合法ロリが股間にズギュン」


「乳神さまとか、言うな……」


「まあそれは置いて。ティンダロスとの価値基準の違いで、加護の強度が全然違ってくるって話。今言ったように、一族に限ってだけど簡易に見定めるなら胸の大きさで魔力が大体わかる。ミコトのCカップは宗家当主になるべくしての胸。サキ姉ちゃんのIカップは魔力なんて無意味。デカくて羨ましいわたしのお姉ちゃんなのよ」


 あまりに向こうの世界好みの容姿をしていると、与えられた加護が強くなり過ぎて始まりの故郷ティンダロスへと強制ご招待の巻になってしまうのだが、しかしこれは母娘の問題なので黙っている。ああ、母さん。あちらの世界でも元気に過ごしているだろうか。


「以上が書簡内容の一部だね。閑話休題終わりってことで続きを行こう」





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