番外編:環大洋帯共栄連邦軍女子会
【18.照れることはありませんよ】の直後、リント視点のお話です。
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ジゼル達の個室は一区画にまとまって、それぞれの出入り口が共通の
今、その
「……と、いうようなことがあったのです」
「なによ、それ! ここ、あんた専用の
「心外ですね。意識は共通なのですから、むしろ
「言葉の定義がゆらぐわね……」
色鮮やかな砂糖菓子を口に放りながら、ユッティが難しい顔をした。ヤハクィーネは同席していないが、いても
「それじゃあ、
「最後はこちらを裏切る、と約束して下さったので、それを心の支えにしています」
「だから、言葉の定義がゆらぐって」
リントとメルルは、さすがに砂糖菓子は口に合わない。これもエルナクラームで買い込んだ、
「しかし、まあ、あたしが一番他人のこと言えないんだけど、
「これは……
「
「心外です」
ジゼルの口の
「ですが、先生のおっしゃることも一理あります。難しく考えすぎることはありませんよ、マリリ。もうそろそろ、こちらにおいでなさい」
「お兄様には内緒にしておいてあげるからさ、話、聞かせてよ! さすがにあたしも経験ないけど、ネクシャラさんなら
「そっ、そんな……っ! そんなこと、ない……わけでは、ない……ですが……っ」
マリリが、正座のまま硬直して、顔を
「そう言えば、先生はシュシュを
「あんただって、マリリちゃん
「まあ、今となっては
「……あのさ。前から思ってたんだけど、あんたって、剣とか武術の立ち合いとかに、性的な興奮を感じてない?」
「とてつもない危険人物に聞こえますが……そう明確に指摘されると、心外と言い切れない部分がありますね」
ジゼルが
生死の瀬戸際で、生命活動への本能が刺激されるのは、
特異な変換が行われるのも、個体生命の生存戦略の一種と言える。
「つまり私は、ゆがんだ欲望を、マリリで発散していたというわけですか。反省しなければならないのは、むしろ私のようですね」
「そ、そんな……ジゼル様、私は……っ!」
マリリが、目の
「ジ、ジゼル様! こ、ここ、この際、は、はっきり、させておきたいことが、ありますっ!」
「あらたまって、なんでしょう」
「わ、私は、その……多分に成り行きで、こ、婚約をしたり、身体の関係を持ったりして、しまいましたが……」
「そう聞くと、すごいわねえ」
「それもこれも含めて、今の私があるのは、すべてジゼル様のおかげと思っております! で、ですから、私にとって……この世で、もっとも大切なお方は、ジゼル様です! ジゼル様のお望みであれば、喜んで、こ、この身を、いかようにでも
「ちょっと、ちょっと。この流れでその
「そ、そう受け取って頂いて、差し支えありません……っ!」
「あら、まあ。
「あんたも、
ジゼルが、手で口元を隠して、
「ネクシャラ様のお気持ちが、少しわかりました。こう
「
「あの
「相手がどう思うかは知らないけどね」
ユッティが
「とりあえず、良かったじゃないの、マリリちゃん。ほら、いいかげん、こっちおいでってば。
「は、はい! その、ふ、ふつつか者ですが、どうか
「だいぶ早いわ、それ。相手も多分、違うわよ」
「言われてみれば、お兄様に言い訳できないような状態は、
「どこまで行く気だったのよ? あんたも、
唐突に、無意識下の警告表示が点滅した。
文脈が理解できないが、
人間の
ジゼルを見る。ほくそ笑んでいる。
ここは沈黙して、解釈をジゼルの勝手に任せるのが
「そう怖い顔をしないで下さい。あなたへの気持ちは変わりませんが、マリリの想いにも
「了解した」
なんとか、ことなきを得たようだ。ふり返ってメルルを探してみると、すでに
外洋航行は至って平穏だ。
リントが、にゃあ、と鳴いた。新しい外部端末で参加したらどうだ、と、
それはあまりに危険性が高く、無謀な行為であることは、
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本当に、ひたすらどうでもいい感じの後日談です。
楽しそうで
ペルジャハルの砂糖菓子は、きっと頭痛がするほど甘いです。
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