15.出し惜しみはしませんよ
シュトレムキントの
エスペランダ帝国軍の輸送艦が、大きく開けた
まったく、燃料と資材の豊富な軍隊は
今、この場で叩いてしまうというのは、どうだろう。一瞬、考えてはみたが、それでは港町が民間人ごと壊滅する。
ラークジャート将軍達の仕事に見せかけるのも不可能だ。
「
「もっと
あきれたことに、すぐ隣の船の
その船がいつからここにあったのか、記憶に
「ここでやっちゃわないのかい? その方が、面倒少ないと思うけど」
「白色人種ならそうも言えるでしょうが、私達には、私達の
同じ発想をしたことを反省する。文明人として、白色人種の
見ている間に、五十
艦砲射撃では郊外まで正確に
「あっちは良いよな?
「愛は
「パルサヴァールだ」
バララエフ中尉が、波打つ金髪を後頭部でまとめた。その背後で
「
どこか女性的な、複雑な
機体名の
「あなた方と決着をつけるお約束、いつになるか、わからなくなってきましたが……それでも、楽しみにしておりますよ」
突然現れた神話や伝説の怪物じみた影に、軍人も民間人も悲鳴を上げて逃げ
輸送艦を
あれだけ派手に暴れ出せば、とばっちりとは言い
途中で運河方面に転進されたりしたら面倒なので、追撃しつつ、本来の戦闘予定地まで誘導しなければならない。
格納庫に降りて、最終調整を済ませてくれたヤハクィーネ様に一礼し、
後頭部から背面に伸びる
「バララエフ中尉の四本腕、パルサヴァールという名前だそうですよ」
「唯一神教に登場する固有名詞だ。共産主義者は無神論という情報だが」
「まあ、いいかげんな
「完全な機械化部隊、総数も五十を数えます。出し惜しみはしませんよ」
「積極的な賛同はしかねるが」
「聞きません」
目を閉じて、ほくそ笑む。
「私はすでに、あなたと一つに
半分は冗談だが、つまり、半分は本気ということだ。
生命の死が、
「まあ、愛と言うには、独占欲が過ぎるかも知れませんね」
「問題ない。
格納庫の壁、シュトレムキントの
「では、参りましょうか」
声が
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