10.おまえは勝ちっぱなしだろ
タンダリー砂漠は、ペルジャハル帝国領の中央やや北よりに広がる
総面積の約七割が
点在する水源地には小規模な都市があり、
ラークジャート=パルシーによって西方、南方の反乱勢力が
ヤハクィーネの
ラークジャートの部隊は砂漠を西回りの
反乱軍の人間がいれば
まるで行動そのもので、最後の説得を
リントはリントで、
最後の
「予備の
「反乱軍の手先かも知れねえぞ?」
「ニジュカがそこまで気を回せるようになったのなら、おとなしく殺されても良いよ。それに、君の腕なら、もっと遠くからでも
引かれて来た
「部隊を見ただろう。どう思う?」
「
「砂漠で重い物を
「おまえは勝ちっぱなしだろ」
「今だけさ」
ラークジャートが、肩に吊るしていた小銃の、銃口を指で叩いて見せる。同じ物がクジロイを含めて、部隊のほとんど全員に支給されていた。
「銃身の内側に、
「それで銃身が重いのか」
「フェルネラント軍にもあるだろう?」
「俺達はあちこち出歩く便利屋でな。大体、現地調達さ」
「そうか。なら、もう少し自慢してやろう」
ラークジャートが、
「手元で
「だらしねえな。最後にものを言うのは気合いだぜ」
「君に言われると、信じてしまいそうになるよ」
苦笑には、だが力がなかった。
「エスペランダ軍が砂漠に慣れることはあっても、ペルジャハル軍が自力で新装備を開発することは、あり得ない。力の差が完全になるまで殺し合いを続けてからでは、遅いんだ」
「だから早い内から、勝負を捨てちまおうってわけか? 頭が良いのも、考えもんだな」
「これから、君にも見せられるよ。私は特別の
ラークジャートの予言は、すぐ後の戦闘で明らかになった。
タンダリー砂漠を越えたペルジャハル帝国領の北端近く、西方からの補給路の
ラークジャートの部隊は、まだはるかに遠く見える
両軍の、
志願兵は、
ラークジャートの言葉通り、
新式小銃が射出した弾頭は、旧式小銃が
反撃のしようもない。反乱軍兵士は
銃兵の横列陣形が
同じ新式小銃に
呼応して、銃兵も
勝敗は決した。
確かにラークジャートは、特別なことはしていない。相手の手が届かない
将兵ともに歴戦で
志願兵の一部が、反乱軍の
「見事なもんだ。おいそれと
「ありがとう。その言葉を、せめてもの誇りにするよ」
ラークジャートが、自分の
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