6.刺激的すぎる格好だね
独立した
結論の出し切れない議論が、ジゼル達に、外の
「ネクシャラ、ここにいるのか?」
天幕の入口を開けて、男が入って来た。短い金髪に少し
中を見て、動きも呼吸も止めた。ジゼルが、ため息をついた。
一瞬に
「いつになったら、この子に
「いやあ、今夜はまた、
おっかなびっくり足を降ろしながら、バララエフが
ネクシャラともつれ合って
「き、きさま……
「あなたのことは、心の中の必ず殺す
「あら、まあ、ドミトリー様とお知り合いでございましたか」
ネクシャラの
「申し訳ありません。私としましたことが、夜の営業に入る時間を失念しておりました。食事は後で、こちらに運ばせます。なにか御用がありましたら、
カザロフスキーの手を引いて立ち上がりながら、くすりと笑う。
「こちらの天幕には、
「あー。カザフーってば、ネクシャラさん
「う、うるさい! 誰の名前だ、それはっ!」
「ここのところは、
マリリが
腕をからめた二人とヴィルシャを見送って、バララエフが
「そろそろ会える頃だと思っていたよ。お察しの通り、一足先に俺達も、
「偶然では、あり得ませんね」
「もちろん。ひげの皇子様も知ってるよ」
マリネシアの一件でもそうだったが、バララエフがもたらした情報は、またしても驚くべきものだった。
ロセリア帝国はオルレア大陸の
また、中央集権の
有色人種を差別する必然性を持たず、勢力圏内に多くの保護国を抱き込んでおり、
シャハナ国などは、近年の流行に乗って侵略してはみたものの、
「俺達の目的は
「同盟……いえ、密約というわけですか」
「さすがジル! そう、
「なんとまあ……ちょっと、想像を絶するほどの図々しさね」
ユッティがあきれ返り、マリリの目が焼けつくような怒りを放つ。
当然だろう。イスハバートを悪意のままに
マリリの肩に、クジロイが左手を置いた。抑えるためではなく、一緒に飛びかかるためだ。すでに短刀に右手がかかっている。
そのことが、かえってマリリを踏み止まらせたのだろう。
「先ほども言いましたが……私はいつでも、あなた方を殺す気でいますよ」
「好きに殺してくれて良いさ。
バララエフが、
「良いでしょう。私の意志で、私の思う時に、あなた方を殺します」
「マリリ。あなたに、こんな無意味な決断を背負わせる気はありません。それでも耐えられそうにない時は……私の腕を二度、叩きなさい」
マリリが、こらえ切れず
「取り乱して、申し訳ありませんでした。すべてジゼル様に従います」
「ありがとう、マリリ……。では、改めまして、バララエフ中尉。協力者としての、具体的な計画をうかがいましょう」
ジゼルがマリリに
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