5.いかがでしょう
ネクシャラ
苦しい生活の中でも、だからこそ
あきれたことに、ジゼル達も文字通り一肌脱いでいた。
踊り手達と同じ、
ジゼルが
マリリだけは、腹部のみ露出している
段々と距離が近くなり、遂にはユッティの
足元を
「いかがでしょう」
ほぼ露出している乳房が、ほのかに汗で濡れている。
「見事な
「それだけですか」
「衣装の必然性は理解が難しいが、美しい」
「そこは
「努力しよう」
「こういうのも
「……今日ばっかりは、自分の体形に感謝してますよ」
マリリが、小間使い風の衣装の胸をなでおろす。ユッティの言葉に補足して、マリネシアで着た水着と比較しても、布面積は大きい。
だがマリリは、なぜかこの状況では、へそが見えているのさえ落ち着かない様子だった。
ヴィルシャが入ってきて、
どうやら
後に続いてネクシャラと、そ知らぬ顔でクジロイも現れた。思い思いに
「皆さまのおかげを持ちまして、大変な御好評を頂いております。なんとも、申し訳ないくらいでございます」
「いいのいいの。あたし達も楽しんでたし、気持ちってことでさ。あ、もちろん
「出どころは同じ、ひげの皇子さんだぜ。そんなこと勝手に言って良いのかよ?」
「だからこそよ。現場の苦労は、経費でわからせてやんなきゃね」
「同意します。そのためにも、まずは苦労の方針を定めましょう」
ジゼルの言葉に、ネクシャラ以外が表情を引き締めた。
相変わらず、クジロイにはマリリから
むしろクジロイだけが握っている情報の方が多いくらいだが、クジロイ自身が語るまでは、余計な
「皆さまは不思議な能力をお持ちなのですね。私もこの子と、会話できれば嬉しいのですが」
ネクシャラはヴィルシャを
「当然と言えば当然ですが、難しいものですね。
「
「皇帝と将軍本人に、貿易商会とはっきり敵対する意志がなければ、植民地化を
「国民の方はどうでしょう、ジゼル様? 税が重いのは事実ですし、貿易商会さえ追い出せば、国民はそれを実現した反乱軍を歓迎し、皇帝も
「どうだかな。白人の科学知識と軍事力は、まだまだ絶対に近いもんだ。力のない人間は、どうしたって逆らえない相手に、不満を持ち続けられねえ」
「……わからん。どういう意味だ?」
「今、現実的に国民の不満が向いているのは、力のない皇帝の方である可能性が高い、ということですね」
「そうだ。反乱軍が勝って貿易商会も追い出した、皇帝は役立たず、がんばってきた将軍様も死んだとなりゃ、一気に国がひっくり返って、ばらばらになるかも知れねえ」
「
議論が
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