2.状況の説明を致しますわ
三人と二匹が乗り込むと、船は静かに
内燃機関のような
カラヴィナの沿岸部にも、
リベルギントとメルデキントは、船体内部の格納庫で整備を受けている。整備兵達は軍隊経験が長い者も多く、船のゆれも問題にしていなかった。
船内は下層の機関部以外、
ジゼル達には小さいが個室が用意されて、隣接した共用の
「名前、シュシュにしよう! 後で髪をといて、お
シュトレムキント改め、シュシュが表情のない目をユッティに向ける。ヤハクィーネは苦笑して、何も言わなかった。
外部端末が人間としての機能を
「それでは、状況の説明を致しますわ。当面の目的地はメジェール朝ペルジャハル帝国の港町カールハプル、作戦目標は同国北部で
「人知れず戦う正義の味方、ですね。
「望むところ、ですよね!」
ジゼルとマリリが、
ヤハクィーネの
「あれ? ペルジャハルって、まだあったんだ?」
「先生」
「独立の近代国家とは言い
集合知の情報から、補足する。
ペルジャハル帝国は歴史的に、何度も
支配者として
ペルジャハル帝国のほぼ全域を貿易管理の
貿易商会は集合国家を構成する諸王国を、属国として五十を超える
当然、
「その構図に、ここ数年で変化が見え始めました。先のムルディーン皇帝の死後、ハシュトル新皇帝を補佐するラークジャート=パルシー将軍が各地の反乱軍を相次いで撃破し、貿易商会の
「単純になったのは、まあ、良いことよね」
「現時点で想定される大きな問題は二つ、一つはシュトレムキントが
どこで両軍が激突するにしても、港町からは距離がある。まして機械仕掛けの巨人が武器を持って飛び出せば、その瞬間に
どちらにとっても、時間との闘いになるだろう。
「了解しました。まずは上陸して現地情報を集め、その上で具体的な作戦行動を考えます。こちらとの
「はい。イスハリの作戦同様、必要に応じて情報支援を致しますわ。
ヤハクィーネが一礼し、シュシュが恐らく、
ペルジャハル帝国の港町カールハプルまで、数日といったところだろう。
カラヴィナ北部の騒乱に始まった戦火は、イスハリ山脈とマリエラ群島に広がり、今や世界の各地に飛び火していた。
それまで神のような力を見せつけていた白色人種が、イスハリでロセリア帝国の占領軍が、マリエラでアルメキア共和国の艦隊が有色人種に敗退して、人種の差が絶対のものではないことが
アルメキア共和国内部で
その環極北地方国家群、世界の中心であるオルレア大陸北部も、ロセリア帝国陸軍情報部から勢力を拡大した政治結社コミンテルンの主導する世界革命思想が
白色人種の植民地支配と
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