第四章 ペルジャハル灼熱編
1.寡兵は奇襲を常道とすべきです
カラヴィナ東部の軍事港、指定された
外装のあちこちに
「良い船ですね」
「どこいら辺が、よ?」
「目立ちません。
「さ、さすがジゼル様」
素直に感心するマリリに、ユッティがため息をもらす。
ジゼル、ユッティ、マリリ、リントとメルルが順に軍用車から降りると、後ろの専用車からエトヴァルトも降りてきた。
大型船の
「お待ちしておりましたわ、皆さま。エトヴァルト殿下までいらっしゃるのは、いささか頂けませんが、まあ良しとしましょうか」
エトヴァルトが、形ばかり立派な黒い陸軍大将の軍服姿で、恐々と首をすくめた。
「ほら、言われたじゃない。
「つれないですよ、ユッティさん! 僕もこれからは本国の仕事が多くなって、カラヴィナに来るのが難しくなります。もしかしたら
「いきなり
「可能性として低くないのが、切ないところですね」
「生死は
ジゼル、ユッティ、マリリは、思い思いの私服姿だ。
ユッティは、さすが相応に
マリリは
ジゼルは、服装こそ地味な
ヤハクィーネは、いつもの
もっさりとした黒髪を一本の三つ編みに束ねて、それでも前髪で目がほとんど隠れている。ユッティよりやや若い程度に見えるが、無表情で、つかみどころのない印象だった。
「紹介しますわ。
「へえ、ネーさんも働きますねえ」
「3番機……あの、どのような仕様なのでしょうか?」
「すでに
ユッティとマリリが、軽く目を見開いた。相変わらず、人権などと
「派生情報ですが、この実験が
「そりゃ良いわね。デンさん、この前のは完全な
「実現すれば心置きなく、また皆殺しができるというものですね」
ジゼルの勝手な感想は置いておくとして、搭乗員の
エトヴァルトの
そうとも見えず、
「ユッティさん、ジゼルさんにマリリも、安心して下さい。外観はこんな感じですが、3番機の内部構造も、すでに最新の
「最悪、無補給で働かそうってわけね」
「その場合でも、快適な
「いや、まあ……快適じゃなくても、下っぱなんだから、やれと言われたらやるけどさ」
「
「ええ。お願いします」
エトヴァルトが先に敬礼をして、全員が慌てて答礼した。
本来は逆で、これはフェルネラント帝国軍と皇室が、最大限の礼を尽くした格好となる。
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