第2話
恋愛マンガの主人公様に君臨するにふさわしいモテモテ男、山吹くんは、書き忘れたが、
どっかの有名財閥の御曹司でもある。つまり、
超絶、金持ちのおぼっちゃんだ。
そんなわけで金も湯水のようにあるから
女子達を虜にしていたんだ。
「山吹くん!今日も一緒にお昼たーべよ」
「おう、なんでも好きなもの頼んでいいよ。
親父のカードで払うから」
「やったあ!いつもありがとうっ」
だがな。
腹を割って話すと僕の苦手とするタイプの人間だった。
僕は陰キャなヲタク男子。そして貧乏な母子家庭。家に帰れば、コンビニにバイトに出かける準備をして、給料日ともなれば、ほとんどの
お金を生活費に入れて。
残りは、僕、
ゲームやアニメ大好きだから、
まあ、服装にお金をかけるよりは
マンガ本やフィギュア買っちゃってた。
モテ男の山吹くんは、そんなヲタクな人間とは対極をなしてるお洒落なイケメン男子。
僕のことをよくバカにしてきた。
「よ、ヲタクくん。
君は根暗で陰気くさいねぇ!
そんなんで、人生楽しい??」
取り巻きの女子を従えて、
モテ男マウントをとってくる嫌なやつだ。
「仲良い女子とかいねーだろ?
そんなんじゃさあ!」
「ああ、いないよ」
「そんなかわいそーなおまえに。
俺が素晴らしい提案をしてやる。
おまえな、少しは洋服にお金をかけろよ。
なんだよ、そのよれよれ、毛玉のパーカーはよ!何回、洗濯したもの着てんだよ、おまえはよ!!
って、あ、貧乏だから無理だっけか..!」
クスクス、と女子の取り巻きが笑ってた。
山吹くんはイケメンだけど。
性格に難がある。
だから、取り巻きの女子達も
類は友を呼ぶ、じゃないけど、
自ずと性格の悪い女が集ってるってことだな。
くそ、嫌なやつ...!
こんな感じで、
山吹くんが俺につっかかってくるのには
訳があった。
実は僕。
勉強は嫌いだけど、
数学だけはできて。
そのせいか、数学の一番は
いつも僕で。
山吹くんは二位止まりだった。
だから、なにがなんでも一位になりたいらしい
山吹くんは、僕のこと、その点に於いて至極気に入らないといった風だった。
だからこそ、貧乏をいじり、
俺の容姿をいじり、マイナス思考の性格をいじってくる。
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