抗うつ系のお薬を飲み始めて感じたこと
お世話になっております。
津島結武です。
とある諸事情で先日心療内科クリニックに訪問してきました。
その事情というのは端的にいうと気分の落ち込みです。
この記事ではその辺のことをちょっくら書き綴ってみたいと思います。
○気分の落ち込みとは?
これは心療内科の先生(前回書いた心療内科とは別)に言われたことなのですが、簡単にいうとうつ病の症状の一つです。
「心療内科医と自我理想の話をした話」
https://note.com/doutoku0428/n/nee4de8753b0f
なんだか気分が晴れず、楽しかったことも楽しめなくなってしまうというのが気分の落ち込みと表現されます。
僕の場合は、
・これまで楽しかったことが楽しくなくなった
・将来に希望をもてず、生きる価値を感じられない
・ときに苦しくて苦しくてたまらなくなり、死んでしまうのではないかと考えてしまう
といったところが症状でした。
幸い (?)、うつ病と診断されることはなかったのですが、以前自殺未遂していたり、希死念慮が大きく増強されたりすることもあったので、一歩間違えれば、あるいは時期がもう少し早かったら、うつ病と診断されて、入院することになっていたかもしれませんね。
○薬を飲んで感じたこと
僕の処方された薬についてはあまり明かさないほうがいいのですが、断片的に明かすと抗うつ薬になります。
抗うつ薬といっても、様々な種類が存在し、セロトニンの再取り込み装置を阻害するSSRIやセロトニンに加えてノルアドレナリンの再取り込みも阻害するSNRIなどがあります。
僕の処方された薬は、そのどちらでもなく、ドーパミンに作用する薬です。
より詳しく説明すると、ドーパミンを放出する細胞に付いている受容体をブロックする薬です。
その受容体は、自らの細胞が放出したドーパミンを受け取ると、細胞に「ドーパミンを出すのをやめろ~」と指令を出します。
こうすることで、通常の人体はドーパミンの過剰放出を防ぐことができます。
しかし、現在の僕は意欲の低下という症状が見られるため、脳内でドーパミンの伝わる量が少ない可能性があります。
そこで、上記の受容体のはたらきを阻害することによって、ドーパミンをより多く放出し、伝達効率を向上させ、気分の改善を図ろうというわけです。
これを服用してみたところ、思っていた以上に効き目がありました。
まず即効性があります。
SSRIなどは通常効き目が出るのに約2週間ほどかかるのですが、僕の服用した薬は数時間経過すれば血中濃度がピークに達するらしく、その日のうちに効果が見られました。
また気分もかなり改善しました。
これまで夜は気分があまりにも沈み込んで生きる価値を感じられないまま眠りにつく生活をしていたのですが、薬を飲み始めるようになってからは、少なくとも明日に希望をもって眠れるようになりました。
苦痛を感じることもだいぶ少なくなり、希死念慮はほとんどゼロに近づきました。
これまで苦痛に耐えられないときは詩を制作していたのですが、その詩がなかなか作れなくなるくらいです。
そこで僕が感じたことは、自分ができることでも限界があるということです。
僕はこれまで苦痛を軽減するために様々な試みをしてきました。
マインドフルネス瞑想や運動、詩作、没頭、音楽鑑賞、酒……。
こういった気分の落ち込みに効くとされる活動をたくさんやってきました。
それでも気分の落ち込みは改善しなかったのです。
しかし、今回たった一種類の薬だけで、ここまで気分が改善しました。
まさに拍子抜けというやつです。
これまであんなに試行錯誤して苦しみを取り除こうとしていたのに、こうも簡単に改善されてしまうなんて。
これが人体の残念なところであり、素晴らしいところでもあります。
人体は機械のようなものだと誰かが言っていました(確かデカルトかな?)。
そのため悪いところを修繕すれば問題なく機能するようになる。
僕の悪いところは脳内だけだったのかもしれません。
ほかの機能は問題なく機能していたが、ドーパミンの機能だけが不具合を起こしていた。
だから様々な試みをしても改善せず、その代わりに薬一つで改善した。
もちろん薬物療法は対症療法の色が強いため、根本治療にはならないかもしれません(脳の可塑性による器質変化は望まれるかも)。
しかし、このように苦しくない現実で生きられるのは素晴らしいことです。
まさに、生き延びたという感覚。
いつかは薬なしでも不幸なくやっていけるようになりたいですね。
ホルモン 津島 結武 @doutoku0428
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