#自室に死を飼っている 」書き出し『走馬灯の予習の割に、人生は長くて困る』

 走馬灯の予習の割に、人生は長くて困る。

 しかし睡蓮の茎は節くれ立つ、さっきからおとなしく 雨の中を彷徨宵あるいては、暫くの水際を、悪夢を呼び起こすように

 月の下では寂しさが荒れ地を撫でるように優雅に結ばれ、掛け時計がぼおぼおと、刻一刻と進み、目的もなく骨身にしみる

 妨げるような安眠を夜の公園に求めて闇を纏うように冷気を吸い込んでいくと、ほとぼりが褪めるように色を失くし

 物欲しげな目つきで半月を浴びると萎縮するように悴んだからだが、誰のものかわからなくなる。

 追跡を諦めた成れの果てが、吠え契り、剥離する前に影というケダモノの尾を掴んで、帰路につくことにする。

 偲び夜、慈愛に満ちた死が光あふれる地へ、最期を遂げるように歯車が軋んでいる、ときは未だ続きを求めて泣いていたという。


午後7:53 · 2022年2月13日



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