廃苑 #深夜の二時間作詩 ノイズ

 ##廃苑 

眼裏まなうらに海が見える。

幾何学模様の吹雪に見合う、真近に終える風と泣く


衣を剥かれた赤い花は頭を垂れおさまるように嘆息する。休日だけの魂は溢れては

遠のく人が往く 交差点の中央で 永遠に立ち尽くし転げたように唄い出す


ただの砂地にデザインされる、すれ違った賛美歌は幽かに群れをなし 

流れ出したいくつかの未来と過去が倒錯している今にぶつかり 空間に満たし 

ヒステリックにざわめいている。塗りつぶした絵画のように


リピートされた人生が血眼になり磨り減っていく


小さな僕を落としたまま 息を呑む刃に好奇心と舌先にのせたままで

君の唇が空虚に開いたときに、踊らされる雑踏に高まるように走り出し

人垣が街道をごった返す夕凪が横目にさわさわと障り 咲いて陰るだけに


揃わぬ足並みでがなり散らす金の糸の矛先に 盛大なファンファーレに、わあわあと

ぜんまい仕掛けの金魚の如く餌に群がるハイエナのよう、首を括られ揺られていきます


心音を殺したような 刃にぬめりつくような膿が、渇いたザラつきを与えている

不純物たる者共が消されたプログラムに準じている、流氷が沸騰する雨音より


歪んだコップの波間に浚われる木の葉のよう、錆びたオルゴールに眠りと従く


午前11:49 · 2022年2月13日


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