うわつきのうわさ #深夜の二時間作詩 「隠し事」
蹴つまづいた後でさりげなく露呈する。
命を買ってきた
モザイク裏地
ひとりひとりさまざまな色や形を保つ 生涯ひとつの柩を つくりあげて
数式をいくつか並べて 罠にかかった鼠を肥やしにする お月様
甘くて寂しい柔ら鋭利に狂える真っ赤なグロテスクキューブ
しにくやだんまつや 調理して 頂く
そのたてまつる先に ひとはいるの
ナイフをひとにぎりにして 強くなれる 犬歯で舐るように 刺し違えては、
小悪魔にも成れない。饐えたおおかみサマ、
その腹の中にあかずきんは生きているの。
それで物語をまわしては 可哀想なフリ たぶらかす 私も悪女だったの
突き破った硝子にもたれ掛かり 心臓から開かせた芍薬は永め、
繋がれた傀儡の白目は濁りなく見つめ
雪原に横たわるネグリジェの女 夢のような紅を浮かべて逝くの
鋭利な硝子の淵から咲く共鳴の断末魔は
神聖で陰鬱な少女たちの儀式のようなもの
ふくよかな肌に 白いドレスに 巻きついた袖に あれらは
呑み込まれた蛇のかいなと 伝染る茨の悼み。
ツンとした横から 小高き丘を望む一瞬、
真っ直ぐに向かい合う 瞳の奥の自分と対峙する。無垢なレクイエムを
詠う 乳飲み子を湛える者たちの、生と死の讃美歌
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