春の孫

いずこからそこにいたのか

 気道の底に放浪を熾す 蒲公英の可憐を知る

  折れ曲がる 戦闘機とドラゴンの尾ひれを顰めて

かツて 躍る

 空想のムジナを 無碍につぶして 無垢につぶして

  芳しく寄り付く みしるしは今。行く手 明く

『夕暮れに捕まった人々はしあわせにおぼれてしまうよ』

     そして 呱々にたツて(規律ト礼ハ足掻ク)

       みな名残惜しそう(保身ばかりが囀る)

新開までも 深海までも、墜ちて。染まっては魅了した。

       「蛾蟲は 冴えわたる」

         みなみなしにいくとこをしらずとも

 ぬかるみに咲き始めた アオガエルも ないています。

    ちいさき とうぜんの(だましぶねにのった、)

  くせに 少し角を興す(撥ね散らかされて。)

展は、燕の大群に 天は青碧の海岸に 駆け下りて

「いつか、」

  わたしたちには 無かったものだ。

 (たまりだまり、そして沈黙と鎮魂をみた。)

  新緑の輝きを呑み込んだ汐の匂い、まいまい

  仲間を、見定めている イロハも すべからず。

 見世物小屋に世話になれそな、極楽仕立ての哀願生物

   所詮あみだくじで縒れた、ほつれた綿毛が

  道行くばかりに、     充ち逝くばかりに

 どうせ小指と小指をくねらせ くゆらせ、

    入念に金の帯をすべらかしていく

ひかりに散って、彩を失うのだ 喪うのだ!

  ぽっけに七粒の清涼菓子を(愚問)感覚を轢からせ

    入滅を繰り返す、足跡として白く擡げさせる。

父さんも母さんも嗄れ果てた途を僕らは風の向くまま

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