みなもとへ #深夜の二時間作詩「Mother」

未完を置く坂道に折り鶴を飛ばし冷菓を供えて顧みても

2度と戻りたくない過去にしか中らないからごめんね


聖地への途は開かれている

根源を辿るばかり、指先でなぞるだけで

颯爽と現れるヒーローであればあるほどに

どこ吹く風に呪いを祈りを預けます


塹壕 ただはつけたやま 新たに生れ出る 棺を背負って

宿場 谷に降り立つ 鳥居を潜り 主に向かい合う

古城 あなたは わたしだけの 真実

砦 敵も味方もなく ただひとりの贄として


天使でも悪魔でも ひとがたを流して、朱い河に緒として


抱けどマザー 僕は掬われなかった

有れどシスター 生み落とされたばかりの 

狐目の顔面は胡散臭いインキュベーターを装う


きっとどんな姿でも母であり温もりだった

私が、殺したのだと言い包めて終わりが欲しいのです

望むがままに願いを適えなさいよなんて

死人に口はないでしょうから勝手な言い草で

罪を着せてしまいたいのだなんて卑怯なものです


ただ生き延びていく、影すらも離れないまま

光のたもとを歩むことを許されている






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