インスタントメッセージ (アノニマスの鷲・再考

三日月の鍵爪を栞 微炭酸の蜜を拵える タイピングの錯覚

読みかけの本に溜息。少し癖のある彩を抑えた 薬指の小股まで

柔らかで蒼い壁面。舐めるように徘徊するもの


むしろ 虚ろ岩礁は 凪いだ海を

畳み 拓いた掌に やぐらを組んだ


誰も知らないウチに 閉じて固まった土塊。眼孔という

グロテスクなむしくい おちた果実 ちりばめてみる

出来上がるまで、しばしば 夢を描くよう 祈り願う

月光環と重なる 檻の加護

八重歯から短い毒を しめしめ 輝かせた星屑は消え往く

どこへ、

お宮参りの階段を。

彼方の為に結び 乍 あれはいつの蝶々

不必要にも白木蓮の首を拗じる。

開けた腰から肋骨に擬態した朽它が

はなびらのみわけもつかない、葬儀場の一角で

逃げ出してしまうのを 伝い始めた 参ツ編みとひとつにする。

そうして 大法螺吹きのおちょぼ口は

やっと 噛み砕かれ、ひとつとなって

めざめたころには キミは 妊娠線を飛び超えて

灯り始めた夜、うつろい初めた日の出のきざしに

憎しみまで 届かないよう翳を踏んで居る


ふみしめて要る、だけだった。

角が取れ円くなった母胎が、

らくに、おやすみになられて

堆積された流砂が勃起しただけだ

(永いときを旅する空壜、アノニマスの鷲)




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