インスタントメッセージ (アノニマスの鷲・再考
三日月の鍵爪を栞 微炭酸の蜜を拵える タイピングの錯覚
読みかけの本に溜息。少し癖のある彩を抑えた 薬指の小股まで
柔らかで蒼い壁面。舐めるように徘徊するもの
むしろ 虚ろ岩礁は 凪いだ海を
畳み 拓いた掌に やぐらを組んだ
誰も知らないウチに 閉じて固まった土塊。眼孔という
グロテスクなむしくい おちた果実 ちりばめてみる
出来上がるまで、しばしば 夢を描くよう 祈り願う
月光環と重なる 檻の加護
八重歯から短い毒を しめしめ 輝かせた星屑は消え往く
どこへ、
お宮参りの階段を。
彼方の為に結び 乍 あれはいつの蝶々
不必要にも白木蓮の首を拗じる。
開けた腰から肋骨に擬態した朽它が
はなびらのみわけもつかない、葬儀場の一角で
逃げ出してしまうのを 伝い始めた 参ツ編みとひとつにする。
そうして 大法螺吹きのおちょぼ口は
やっと 噛み砕かれ、ひとつとなって
めざめたころには キミは 妊娠線を飛び超えて
灯り始めた夜、うつろい初めた日の出のきざしに
憎しみまで 届かないよう翳を踏んで居る
ふみしめて要る、だけだった。
角が取れ円くなった母胎が、
らくに、おやすみになられて
堆積された流砂が勃起しただけだ
(永いときを旅する空壜、アノニマスの鷲)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます