ボツった台詞たち(ネタバレ)

『万有の分銅』でボツにされた台詞たち。備忘録的に。

 一つはテハイザ王のエピソードです。

 例の一件の後に、自国西の地に赴いたテハイザ王。当地長官を前にして。


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「司祭の責務は国を加護する海神に仕え、国の宝を守ることだと思っていたが。いつからその務めが変わったのか、私は貴方から聞いただろうか」



「王である私に物申したいような欠落があるなら謹んで聞こう。だが、我が国の——そして隣国との——調和を乱さない、という前提があるならば、の話だ」



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 この人、書いていたらやたら怖い人間になりましたと思ったのですが、読者様にはどう映ったか……。ラスボス感満載です(当社比)。まあいい、のか?


 2. ラストの問題の部分です。当の驚愕の後の会話。


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 そう独りごちると、アウロラは呆れを含ませてロスを仰ぎ見た。

「だからお兄様をご覧になって無事な女性でなくちゃって言ったでしょう」

「姫様くらいなものだと思っていましたよ……」

「妹の私が卒倒していたら会話が成り立たないじゃない」

 至極全うな意見だが、ロスの耳にはいまいち入ってこない。

「……側近……ってなんでしょうね……」

「恋愛沙汰なんてわざわざ皆に知らせ回ることでもないでしょ」

「いえ、一般的にはそうでしょうけど王族はまた別……」

「そんないいじゃない。相手を誰にするかなんて当人たち同士の問題なのだし、お父様とお母様だって恋愛結婚だし」


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 書いたら意外に冷静だったアウロラと、残念なロス。


 ちなみに、この直前の例の二人の会話では、例のあの人が当のあの人に述べたセリフにこんなのがありました。


 *


「珍しく倒れ込んだ後の気分はどう?」


 *


 このヴァージョンでも書いてみたかったな。書くかな。


 ではでは♪


 シレア国シリーズはまだ続きます。


https://kakuyomu.jp/users/Mican-Sakura/collections/16816452219399453347



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