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 大人たちが言い合うのを放っておいて、スピカは勝手に続けることにした。そして次に上がっている名前を見て、大きな目をさらに大きくする。


「次は、あたしでした! うわ! いいのかな? 嬉しいものですねっ! うわぁ」

「いやぁねぇもう可愛いったら本当に」


 スピカはぎゅうと抱き締められ、「離してくださいよう」と恥ずかしそうに身を捩った。そして「次はー、あっ!」とまたも目をまん丸にして叫ぶ。


「待って、当ててあげる」

「アウロラずるいな、私が」

「二人とも抜け駆けですよ、自分が」


 スピカの相手をしたくなるのは、喜色露わな可愛らしい様子からして自然の流れだった。えぇー、と渋ると、スピカは「じゃあみなさん一斉にどうぞ」と促し——


「え? 俺?」


 三本の指に指差された下男の青年は、間抜けな声を上げた。


「そういうところかしら」

「良かったな、入って」

「もっと上かと思っていたけれど」


 一方、スピカの方は先ほどとは打って変わって、眉を寄せて考え込んだ。


「その次の名前はあたし知らない」

「ああ、ウェスペルじゃない?」

「良かったな、シードゥス」

「な、何がです」

「これはもし勝ってても嬉しくないなぁ、シードゥス」

「ちょっとお二人とも何を」


 諦めろ青年、数少ない恋愛要因が肴になるのは偶然ではない。当然を通り越してこれはもう必然なのである。


 ***


 こういう順番になりました。いやはや、シー君がもっと上にいくかな、と思いきや。しかし個人的には、ウェスペルが意外でしたね。ここに上り詰めると思いませんでしたから。


 さて、あと三人は、誰かはお分かりと思います。その順番たるや……。正直に言って驚きました。さあどうなるでしょうか。時間の関係でまたも続きます。


 個人的には出番の少ないスピカが書けて嬉しいです。子供ってかわいいですよねー!

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