投票結果(2)
大人たちが言い合うのを放っておいて、スピカは勝手に続けることにした。そして次に上がっている名前を見て、大きな目をさらに大きくする。
「次は、あたしでした! うわ! いいのかな? 嬉しいものですねっ! うわぁ」
「いやぁねぇもう可愛いったら本当に」
スピカはぎゅうと抱き締められ、「離してくださいよう」と恥ずかしそうに身を捩った。そして「次はー、あっ!」とまたも目をまん丸にして叫ぶ。
「待って、当ててあげる」
「アウロラずるいな、私が」
「二人とも抜け駆けですよ、自分が」
スピカの相手をしたくなるのは、喜色露わな可愛らしい様子からして自然の流れだった。えぇー、と渋ると、スピカは「じゃあみなさん一斉にどうぞ」と促し——
「え? 俺?」
三本の指に指差された下男の青年は、間抜けな声を上げた。
「そういうところかしら」
「良かったな、入って」
「もっと上かと思っていたけれど」
一方、スピカの方は先ほどとは打って変わって、眉を寄せて考え込んだ。
「その次の名前はあたし知らない」
「ああ、ウェスペルじゃない?」
「良かったな、シードゥス」
「な、何がです」
「これはもし勝ってても嬉しくないなぁ、シードゥス」
「ちょっとお二人とも何を」
諦めろ青年、数少ない恋愛要因が肴になるのは偶然ではない。当然を通り越してこれはもう必然なのである。
***
こういう順番になりました。いやはや、シー君がもっと上にいくかな、と思いきや。しかし個人的には、ウェスペルが意外でしたね。ここに上り詰めると思いませんでしたから。
さて、あと三人は、誰かはお分かりと思います。その順番たるや……。正直に言って驚きました。さあどうなるでしょうか。時間の関係でまたも続きます。
個人的には出番の少ないスピカが書けて嬉しいです。子供ってかわいいですよねー!
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