結果発表
真夜中である。しかし、シレア国首都シューザリーンの重鎮はまだ床についていなかった。重大な報せがあるということで、一同執務室に会していたのである。神妙な面持ちで座すもの、いつもと変わらず事務書類に羽ペンを走らせているもの、悠々と書籍を読んでいるもの、待ち方はそれぞれなのも相変わらずである。
「あ」
不意に王女が書をめくる手を止めた。するとその横で書面に目を落としていた兄が同じ姿勢のまま口だけを開く。
「来たか」
「そのようですね」
答えたのは先ほどからちらちらと落ち着かなげに扉の方を気にしていた従者だった。横で下男の青年が頷く。二人の言葉通り、ぱたぱたと廊下を駆けてくる音が近づいてきた。そしてがちゃりと大きな音が室内の静けさを乱暴に破り、勢いよく小さな少女が走り込んできた。
「出たの! 出ましたっ!」
少女は元気よく叫ぶと、濃紺に近い目をきらきら輝かせる。その手にしっかり握られているのは、なにやら名前の連なった紙切れだ。
「出たの? どうだった」
「読みます!!」
***スピカに登場してもらいました。彼女がなぜいるのかは……スピンオフにあります(笑)ここから投票結果です。ご協力ありがとうございました!
彼らの会話劇をお楽しみください***
「行きますね、ええっと一番は、
「はぁぁっ!?」
「ずば抜けた人気だなロス」
「さすがね」
「違うスピカ、それ無効票が百単位であるから」
「あ」
はい、シレア国親善大使かつ本投票発案者の如月芳美様から五百票いただきました。有り難くいただき、有効票のみカウントしたいと思います。
「えーっと。一番少ないのから……『
「あぁ、いると思いました、予想通りですね」
「えっちょっと待ってお兄様、誰それ」
「いや私にもわからないのだが。私の被害にあったとは……?」
「自覚がないから被害者を出すんですよ」
「なんだそれは」
「スピカ、この方の言うことは気にしないでいいから」
「待って私は気になるのだけれど」
「次は」
スピカはちょっと小首を傾げただけで、半ば強引な従者の促しで紙切れに視線を戻した。
「同点で料理長さん」
「
「本人には言うな、血を見るぞ」
「あとクルックス兄さんが同点」
「あー……」
「控えめな青年でしたしね。見た目は」
「見た目はな」
「見た目はね」
それぞれ遠方の青年を脳裏に思い浮かべ、意見が一致したらしい。スピカはくるりとした大きな目で大人達を見ると、変なの、と呟いて書面の続きを確かめた。
***
ご協力ありがとうございます! 作者の時間の都合により、まず三人。それぞれ一票ずついただきました。冒頭のお姉さん、ゆうすけさんは絶対に入れると思っていました(笑)。料理長は如月さんが清水から道頓堀まで飛び降りる意気込みでシーくんと迷ったとのこと。大臣脱落。
クルックス兄さんは、スピンオフでちょっとブラックでしたね。
集計結果は予想外になりました。遊びながら発表させていただきます。
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