第2話 回想──外の世界──
ただし「新しい時代」の享受が極めて限定的なものであっただろうことは、想像に
情報がない。これは、私自身のみならず、父母が不幸な半生を送ることになった、おおもとの原因であると言って良いだろう。やや遠回りになるものの、ここで、多感な時期の私の記憶を綴ろうと思う。
私が義務教育を受けていた頃、即ち、インターネットなるものが世の中に一応の普及を見せた頃、私の生家にもPCが導入された。とはいえ、若者が十人もいない限界集落なためか、回線は非常に貧相なものであった。画像一枚開くにも数分を要し、上からじんわりじんわり見えてくるのを待たねばならないような、
中学時代に、隣町に住む級友たちに生家の通信環境を話し驚かれたことがある。当然だろう。彼らは各々のPCを持ち──それは
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