第21話 ステータス
「ソル君、君は確実に僕以上のチートだよ」
「先輩は人外って言葉がよく似合います」
2人は、遠い目をしてソルをディスっていた。
そんなことを気にせずソルはお菓子を頬張る。
「俺のステータス見せたんだからお前らのも見せろよ」
そういうと2人はステータスオープンと呟く。
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アレン=ウォレット
レベル:34
種族:人族
性別:男
年齢:8
職業:勇者
属性 :闇、光、聖属性
[スキル]
【剣術Lv6】
【魔力操作Lv8】
[ユニークスキル]
【インベントリ】
【完全鑑定】
[エクストラスキル]
【聖魔の勇者】
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クリス
レベル:29
種族:人族
性別:女
年齢:7
職業:聖女
属性 :聖属性
[スキル]
【魔力操作Lv9】
【魔力探知Lv5】
[ユニークスキル]
【状態異常無効】
【インベントリ】
【完全隠蔽】
[エクストラスキル]
【月読の聖女】
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「クリスはそうだろうと思ってたけど、アレンは勇者だったのか」
「まぁね、でも君ほど人から外れてないからね?」
だけど、ソルは内心とてつもなく嬉しいと思った。魔王を撃てるのは勇者のみ。
ならこの男が自分を殺せる人間なのでは?と思わずにはいられなかった。
「なぁ、あんたなら俺を殺せるのか?」
その言葉に部屋の空気が凍りつく。
どのような反応をすればいいのか、アレンは目に見えて狼狽えていた。
「そう、狼狽えるなって。俺が俺じゃなくなった時に殺せるヤツがいないと、この世界は終わるだろ?だから聞いた。クリスは?」
話を振られたクリスは、真剣な眼差しでソルを見て言った。
「殺しませんよ?でも先輩が理性を失わせるような事にもさせません。前世で出来なかったしわくちゃのおばあちゃんになるまで先輩を愛して眠るように死に行くのが私の望みですから」
そう言われてソルは腹を抱えて笑い出した。
笑い過ぎて目元に涙を浮かべむせていた。
「クックックっ・・・・・・ゲホゲホ・・・・・・あぁ〜腹いてぇ。祈里今度こそ、老衰するまで一緒にいてくれ。もし、俺が暴走しそうになったら迷わず殺せ」
そう言ってソルは一振りの刀を召喚する。そして、それをクリスに向かって放り投げる。
クリスは、それを難なくキャッチする。
「それは、俺の【魔刀】で使える二振りの刀のうちの一振りだ。名は【祈】。癒しと浄化の刀だ」
クリスは、【祈】をまじまじと見る。
そして、それを嬉しそうに胸に抱える。
「先輩からの愛を感じますね。私に馴染んでいる気がします」
「当たり前だろ?俺の中にあった、心の支えが結晶化したものなんだから」
2人だけの世界を展開し出したそのとき、アレンが咳払いをした。
「ゴホン、2人の世界に入るのはいいけど出発するにあたって約束して欲しい。学園に入学出来る歳になったら王都の学園に来て欲しい。いいね?」
アレンは約束事だけ伝え、あとは何も言わなかった。
クリスとソルは顔を見合わせて頷く。
「「了解!!」」
ココロノカケラ〜壊れた青年の物語〜 八浪 凛 @Speed8273
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