第12話 聖女の訪問
ライムside
ソル君が倒れて5日が経ちました。一向に目覚める気配はありません。そして、私は今、ステラ=ウォレット公爵令嬢の侍女見習いをしています。
ステラちゃ・・・様のお世話に訓練、間を見てソル君のお見舞いにと精を出しています。
今もソル君の側にいます。
早く目を覚ましてくれるようにと色んなことを話してます。
コンコン
そんなときドアがノックされステラ様が入って来ました。
「ライム、お兄様がソルに関して話があるそうだからみんなに集まるようにって」
「わかりました。ステラ様、すぐに向かいます」
「・・・ねぇ、私たち主人と従事者だけど前みたいに呼んでくれない?本当は友達のように接して欲しいけど」
「う、うん。分かったよ、ステラちゃん」
モジモジしながらそう言うステラちゃんはとにかく可愛かったです。
そして、ステラちゃんと共にアレン様の元でこれからのことを聞きました。
「集まったから説明するね。現在、ソル君がまだ起きてない状態で僕の魔法やスキルで検査したところ、魔力が全くと言っていいほど回復してないことが原因だと結論付けた。だから先生の弟子、僕たちで言う姉弟子の娘さんが聖女に目覚めつつあるそうで、先生に修行を付けてもらう名目でソル君を診てもらうことになる。それで、ステラとライムちゃんにお世話をお願いしたい。出来るかな?」
これは私には拒否権がないのだろうな。
ステラちゃんはなんて言うだろう?
「お兄様、何故私達なのでしょうか?」
疑問に思っていたことをステラちゃんははっきりと聞いてくれた。
「それは、彼女が大の男嫌いでギリギリ診れるのが意識のない人だけなんだ。だから普段は、2人についてもらいたいんだ。頼めるかな?」
私とステラちゃんは顔を見合わせて頷く。
お互いに思っていることは一緒だろう。
「お兄様、私たちに任せて。妹弟子のお世話はやるわ」
「よかった。実は、明日には着くらしいんだよね」
爆弾を投下してアレン様は朗らかに笑う。
えっ?明日なの?早くないですか?
お部屋の準備とか全然出来てないんですけど。
私は、侍女見習いとしての思考が周りアタフタすることになりました。
そこから私は、リコお姉ちゃんとミレイユさんと大急ぎで聖女様のお部屋を準備しました。
翌日、聖女様が到着されたとのことで顔合わせのためお出迎えをしました。
馬車が屋敷の前に到着して中から若々しい女性と1人の少女が降りて来ました。
少女は、黒髪のソル君と同じ藍色の瞳をしていました。
「お師匠様、リコ、お久しぶりです。この子が私の義理の娘でクリスと言います。人見知りの激しい子なのですがご指導のほどよろしくお願いします」
「話には聞いてるわ。こちらこそ、よろしくね。リコ、あなたが中心となって色々と教えてあげて」
「わかりました、師匠。お姉様、お久しぶりです。私は、リコレットよ。みんなからリコお姉ちゃんって呼ばれてるわ。よろしくね」
「あ・・・うぅ・・・クリスです。よろしくお願いします」
クリスちゃんは、そう言って私たちに頭を下げました。
性格とか雰囲気は違うのに何故か、ソル君と同じに見えてしまいました。
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