第3話【1561年の龍虎の戦《いくさ》川中島《かわなかじま》】

1561年甲斐の守護大名【武田晴信たけだはるのぶ】と越後の守護代【長尾景虎ながおかげとら】後の武田信玄と上杉謙信による信濃国の支配権をめぐる争いが軍事衝突になった。


~歴史上第四回川中島の合戦と呼ばれる~


この戦いにはキリスト教徒魔法衆は一切介入してはいない。


只々、『仏法衆』の合戦場であった。

武田晴信は仏法衆のチカラを過信する事をせずにあくまで助力として仏法を運用した。


それに対して長尾景虎は仏教と仏法に早くも魅了されつつあり、自らの意思で仏法に帰依を誓い川中島に赴いた。


この戦いで重要な点は、仏教徒の仏法はキリスト教の魔法に劣らない人心強化とこの国に既に存在する宗教である分領主である保守派大名家に適していた事である。

故に士気のカリスマ長尾景虎と指揮のカリスマ武田晴信のぶつかり合いは凄惨せいさんを極めた。


武田晴信の弟・武田信繁たけだのぶしげ山本勘助やまもとかんすけなどの武田の貴重な人材が討死を遂げるなど甚大な被害を被った。


一方、長尾景虎側も目立つ武将級の討死こそ無かったものの兵力の損耗は如何なる異形なる法をもってしてもなんとかなる物事ではなかった。


「これがこの国の宗教を運用した戦ですか……大変勉強になりましたよ。《É esta a guerra que operou a religião deste país ... Aprendi muito.》」


畿内に居たはずのルイス・フロイスが呑気な顔でつぶやいていた。


(つづく)

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