【探索行動】どこを調べる?

□扉のドアノブ

 部屋の中を一通り見回して思った。

──やはり、脱出するなら此処しかないだろう。


「……鍵は?」


 私はドアノブに手を伸ばした。

 先程の探索ではドアノブが固定されていて、いくら回そうとしても動かなかった。それに鍵も掛かっていて開く気配は全くなかった。

 再度の確認の意味も込めて、私はドアノブに手を伸ばした。


 また眠っている間に何者かが侵入したのであれば、もしかしたら状況が変わっているかもしれない。

 そんなことはないだろうが、うっかり鍵を掛け忘れたりしているかもしれない。

 淡い期待を抱きつつ、私はドアノブを捻ってみることにした。

 ドアノブに手を掛けたその瞬間──。


──ビリリリリリッ!

「アァアアァアァアアァアァァアッ!

 全身に激痛が走った。

 体中を電流が駆け抜け抜けたのである。


 ドアノブから手を離そうとするも、手が硬直してしまいなかなか離れない。体が言うことを聞かなかった。


──ビリリリリリッ!


 その間にも、私は電気を浴び続けた。

 そして──。


──パーンッ!


 爆発が起こり、私の体は激しい衝撃で背後に吹き飛んだ。そのまま壁に激突し、床に倒れた。


──体から湯気が上がる。


 電流によって、こんがりと焼き上がった私の体は煤となっていた。

「う……あ……うぅ……」


 何も喋ることは出来なかった。

 目を開けることも出来なかった。

 体を起こすことも──。


──そして、私はもう二度と起き上がることが出来なかった。

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