王女様の謀略
「まだかしら。早くお会いしたいわ」
私はカッテリーナ・ルイジアンヌ。このザガンガ王国の第二王女。今日召還される勇者様がイイ男なら積極的にアプローチしちゃうんだから♪
しかし、姉のミネルバは要注意よね。彼女も同じように勇者様を狙っているんだから。
まぁ、どちらにしても、イイ男だっったらの話だけれどもね☆
「勇者様が召還されました。謁見の間にお越し下さい」
待ってました♪どんな男か見定めるんだから!
謁見の間に入って並ぶ。王が入ってくるので胸の前で手を組んで頭を下げる。
「楽にせよ」
姿勢を正す。
程なくして、
『勇者様御一行のおなーりー』
何?一行?1人じゃないの?
勇者様を見やると、筋肉は付いていなさそうだけど、骨格は太そう。肝心の顔は… いいじゃない、いいじゃない♪
しかし、女連れ?小さい子供も2人?何だか嫌な予感がする。
名前はアソウ・ジロウというのね。でも、嫌な予感は的中した。連れているのは奥さんに子供。これじゃぁ結婚しづらいじゃない!
そりゃぁ、王族と姻戚になれば第二夫人、第三夫人を
*
私はミネルバ・ルイジアンヌ。このザガンガ王国の第一王女。今日召還される勇者様が知性溢れるイイ男なら、結婚もやぶさかではない。
妹のカッテリーナも狙っているようだが、男は顔だけじゃないのよ。頭が良くなければ国の中枢で、指揮を
「勇者様が召還されました。謁見の間にお越し下さい」
待ってたわ。どんな男か見定めようかしら。
謁見の間に入って並ぶ。王が入ってくるので胸の前で手を組んで頭を下げる。
「楽にせよ」
姿勢を正す。
程なくして、
『勇者様御一行のおなーりー』
ほぅ?1人じゃないのね。
勇者様を見やると、筋肉は付いていなさそうだけど、骨格は太そうね。でも、頭はどうかしら?
ふむふむ、奥さんかしら?女性を連れてるわ。小さい子供も2人?実子かしら。イイ男は周りの女が黙っていないわよね。まぁ、想定内でしょう。
しかしあの女、勇者一行なのにこの国の言葉が分らないのかしら?勇者なら自然と話せるようになると聞いていたのだけれど。まぁ、気にしないといけないのは男の方だから気にしてもしょうがないか。それだけじゃ知性なんて計れないし。でも、あの女も私とうまくやっていける人でないと困るんだけど。
まぁ、お父様との受け答えはまぁまぁね。でも、お父様に対してあの態度。男はときにははったりを噛ませる程の度胸がなきゃイイ男ではない。その点に関してはいいんじゃない?
まぁ、知的かどうかが分らなかったから判断できないわね。まぁ、様子見といったところかしら。
*
『お姉ちゃんなんて、いなくなっちゃえばいいのよ!』
あれはいつの頃だっただろう?遠い記憶、日本とは違う場所。
何故だかその頃の記憶が曖昧だ。
あれから環境がぐるっと変わった気がする。
あまり良い思い出ではない。
だから、このまま思い出にフタをして、思い出さないようにしよう。
*
俺たちはしばらく例の木の下で、野営をし、討伐練習に明け暮れた。ある日の食事時、
『もう十分経験は積んだと思います。次の場所へ行きましょう』
「二郎、そろそろ食料が
それじゃぁ、食料を買い込んでから、ベースの移動かな?
『明日は食料を買い込んで、ベースの移動をしよう』
『それなら一旦王城にお寄り下さい。多分、新しい武器や防具が支給されます』
次の日。俺たちは王都に向かって車を走らせていた。
『車というのは
『あぁ。行きは拠点を探しながらだったからゆっくりと走ったが、今でも速度は控えめにしているぞ。いざとなったらもっと速度を上げることもできるぞ』
『ほぉ』
王都に着き、車をゆっくりと走らせ、王城へ入る。
『勇者様方が成長したので装備の交換に参った』
そう、執事に伝えると、武器保管庫へ案内してくれた。
『カーライル様、どうぞ
そう言われたカーライルは、武器を一点一点確かめ、見繕ってくれた。
俺は刀身が太くなり、重くなった。盾は大きくなった。
装備の交換も終わり、出ようとしたが、
『お風呂に入りたい』
と言う。 …いつの間にか
そういえば、野営になってから、風呂、入っていないもんな。
『お風呂の準備はできております』
準備ができているならお言葉に甘えよう。
風呂から上がって髪を乾かし、パーティーメンバーと合流し、まずは買い出しへ。
店の前にキャンピングカーを停め、食料をごっそり買いだめる。
…キャンピングカーが目立つのか、注目を浴びるんだよなぁー。
食料を買った後は、カーライルの案内で、次の野営地へ向かう。
『あぁ、この辺りがいいでしょう』
野営地も決まる頃、いい時間になってきた。今日はこのまま、野営の準備をして、夕食にして、そのまま就寝することにした。
次の日。武器が変わったのでどうなることかと思ったが、特に難なく戦えた。慣れってすごいね。
そこでまた数日過ごし、戦い方にも慣れてきた。
『それでは、個人個人の戦いにはもう慣れたと思いますので、次は、連携の訓練です。魔物の多い場所へ向かいましょう』
こういうとき、いつもしきってくれるのはカーライルである。
また、王都に食料の買い出しに行き、そして、次の野営場所まで移動し、その日はまたこのまま、野営の準備をして、夕食にして、そのまま就寝することにした。
次の日の討伐練習では、言われたとおり、魔物の数が多かった。
『助太刀致す』
危険と思ったのか、今まで傍観をしていたカーライルが入ってきたり、
『ファイアーボール!』
同じく、今まで傍観をしていたアンリエッタが攻撃魔法で敵を撃退した。
『あれでは命を落としますぞ!』
その日の食事時、カーライルに、そう怒られた。
『敵に目が行くのは分りますが、仲間にももっと気を配って下さい!』
アンリエッタにも怒られた。
『2人の言うとおりですよ』
メンドローサも危険を感じたのか、ただ、他の意見に乗っかろうとしただけなのか。 …うーん、判断が難しいね。
次の日も討伐訓練。また、カーライルやアンリエッタに助けられた。夕食時、
『昨日よりはマシになってきましたが、まだ危なっかしいです。しばらくここから動けませんな』
そうしてしばらくここをベースに討伐訓練は続くのであった。
*
『お姉ちゃんなんて、いなくなっちゃえばいいのよ!』
またあの嫌な記憶。そういえば、この言葉って、ガカスドロフ語じゃない?
新発見である。
あのときは、お父さんも、お母さんも、おじいちゃん、おばあちゃんもいて、兄弟もいて。 …あの事件前は幸せだったなぁ。
…
目が覚めた。
最近では見慣れたキャンピングカーの天井である。
「今日もまた、討伐訓練なのよね」
はぁーとため息を吐き、準備に取りかかる。
「さーて、子供たちが起きる前に朝食の準備しなくちゃ!」
*
『随分と様になってきましたね』
ここをベースとして随分と
『始めどうなることかと思いましたよ』
アンリエッタはそんなことを言う。
『単独討伐のときは速度が異常でしたからね。これが普通じゃないんですか?』
メンドローサが珍しく自分の意見を言う。
カーライルもアンリエッタもうなり始めた。
『…そういえば、そうかも知れません』
アンリエッタは折れた。
そんなこんなを言っていても腹は
『もう少しここに
様になってきたとはいえ、もう少し
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