第25話 尋問
翌朝、俺は昨日捕まえた
そういや、起きた時何故か腰が痛かったのと、シエスとレイリスが妙につやつやしてたな…
何かされたのか知らんが、多分大したことではないだろう…
「こんな朝早くからすまんなバルバ」
「問題ないぞユキ殿」
「おはようさんユキ」
「おはようございますユキさん」
「おはようアルゴにファニス。バルバ、早速で悪いが昨日捕まえたあの2人の元へ案内してくれ」
「了解だ」
バルバに付いて行くこと大体10分程、俺達は地下牢がある場所に着いた。看守に挨拶をして、目的の牢屋へ足を運ぶ。
しかし何故あいつらは
まぁ、大体の予想はついているが………とりあえず訊き出してみるとするか。
「ユキ殿この牢屋だ」
「ここか…」
牢屋を覗くと、手足を縛られているにもかかわらず、ぐーすか寝ている2人が目に入った。
こいつら、ここが敵地ってこと解ってんのか? いや、バカだから解らないか………
「ユキ、開けるから少し待っててくれ」
「頼んだ」
「ユキ殿、訊き出す内容はもう決めてるのか?」
「あぁ、決めている。
「他の連中………ユキ殿と一緒にこちらへ来た残りの人間の事か…」
「その通りだ」
「ユキさん、私も訊き出したい事があるので一緒に尋問してもいいですか?」
「別に構わないぞ」
「ありがとうございます!」
「バルバはどうする?」
「では我も1つくらい訊くとしよう」
「ユキ、待たせたな」
どうやら開いたようだな。こいつらが起きるまで待つのは時間の無駄だから
「起きろバカ共、『
「「あばばばばば!?」」
「な、なんだ!?」
「目覚めはどうだバカ共?」
「お、お前は祟り神!!って、ここはどこだよ!?」
「ここは魔王様がおられる魔王城の地下牢だ人間」
「魔王城だって!?」
「なんで祟り神がここにいるんだよ!?」
「そりゃ、ユキが魔王様の協力者だからだぜ人間」
「んなっ!?」
「アルゴ、こいつらに余計な情報を与えるな」
「す、すみません隊長」
「いや、問題無い。何故なら、こいつ等の未来は死だからな」
「そうか、なら問題無いな」
「「っ!?」」
尋問を始めるとするか。
「さてお前ら、今から質問をしていくが、真実を答えろ。もし嘘を吐いた場合どうなるか解っているよな?」
「う、うるせぇ!だ、誰が祟り神の言う通りにすギャアアア!!?」
「いてぇぇぇえ!?」
「ユキさんに逆らうな、この下等生物が…」
俺への態度が気に食わなかったのか、ファニスが2人の太股辺りに短剣を突き刺した。
「………先ず1つ目。何故お前らは魔王領に居た?」
「痛い!痛い!助けてくれ!」
「し、死にたくない!!」
「………………」
痛みのせいか俺の話を全く聞く気が無いなこいつら。
どうしたもんかと考えていると、ファニスが2人の前に出た。そして、2人に突き刺した短剣を引き抜き、2人の首元に突きつけこう言い放った。
「下等生物が……さっさとユキさんの質問に答えなさい!」
「「ひっ!?わ、分かった!」」
やはり言う事を聴かせるには恐怖、痛みで聴かせるのが一番手っ取り早いな…
「では、改めて訊こうか。何故お前らは魔王領に居た?」
「そ、そんなの魔王を討伐しに来たからに決まっているだろ!」
「あ、後は零条のそ、捜索だ」
「あの遺跡のようなところを探索していたのは?」
「い、良い武器が手に入ると思ったからだ」
「次、残りのクラスメイト共の様子はどうだ?」
「し、城で訓練ばっかりしてる」
「と、時折、俺達みたいにどこかにぼ、冒険しに行ったりしている」
「不知火嘉音だったっけか?アイツ率いる勇者パーティは今何処に居る?」
「「し、知らない!!」」
「本当か?」
「「ほ、本当だ!!」」
…使えない奴等だ。
「ファニス、バルバ、後は好きにしていいぞ」
「もういいのか?」
「とりあえず訊きたい事は訊き終わったからな」
「了解だ」
「隊長、私から先に訊いてもいいですか?」
「あぁ、問題ない」
「ありがとうございます。…下等生物共、何故ロゼ王国でユキさんを殺そうとした?」
「それ、我も訊こうと思ってたやつだな」
「そんなの訊く価値があるのか?」
「我等には価値があるのだユキ殿。まぁ、レイリス様が知りたいと思われていそうだからな」
「確かに、レイリス様なら知りたいでしょうね」
「…で、下等生物共さっさと答えなさい」
「そ、それは…こ、こいつがいると皆が怪我したり、びょ、病気に罹るからだ」
「だ、だから、コイツはい、生きてちゃいけないんだ!」
ほぅ、怪我するのも、病気に罹るのも全て俺のせいか…
レイリスがここに居なくて良かったなお前等。もし居たら、即殺されていただろうな。
「人間よ、我等はユキ殿と関わってから、ユキ殿のせいで怪我をした事も病気に罹った事も無いのだが…どういう事だ?」
「そ、そんな訳ねぇよ!」
「そ、そうだぜ。だから、祟り神はし、死ななきゃいけないんだ!」
「「こいつ等!!」」
「「ひっ!?」」
ファニスとアルゴが今の一言に怒り、剣を突きつけた。
「待て!ファニス、アルゴ。この人間2人を殺すのはレイリス様とシエス殿が来てからだ」
「「…了解しました隊長」」
「な、なんでだよ!全部話せば助けてくれるんじゃないのかよ!?」
全部話せば助ける?何を言っているんだこのアホは…
「誰も助けるなんて言ってないぞ……バルバ、今からレイリスとシエスを連れてくるから少し待っててくれ」
「了解だ」
「「まっ、待ってくれ!いや待って下さい!!」」
懇願を無視して、家へ
家へ戻ると、丁度起きたのか、目を擦りながらリビングに入ってきた2人と鉢合わせした。
「ふあぁ~、ユッキーおはよ…」
「ユキ、おはよ…」
「おはよう。今から昨日捕まえた俺の同郷の男2人を殺すから、さっさと支度してこい」
「もう尋問は終わったの?」
「終わったぞ。思った通り、大した情報は持ってなかったけどな」
「分かった、準備してくる」
「ほらレイリスも行ってこい」
「ねぇ、尋問している最中もあの人間の男、ユッキーの悪口言ってた?」
「あぁ、あいつ等にとって俺は死すべき存在らしいからな」
「そう……あたしも準備してくるね」
それから5分程待っていると、身支度を整えた2人が戻ってきた。
「お待たせユッキー」
「お待たせ」
「そんじゃ、バルバ達のとこに戻るぞ」
魔晶石を取り出し、魔力を回復した後、シエスとレイリスを連れてバルバ達の元へ
バルバ達の元へ戻ると、
アルゴかファニスが威嚇でもしたか?
「お帰りユキ殿。そしておはようございますレイリス様、シエス殿」
「おはようバルバ」
「おはよう。ねぇ、バルバ。何でこの男共のズボンが濡れてるのかしら?」
「すみません、そうなった原因は俺みたいですレイリス様。ユキが
「根性無いわね…」
「ホント、そうですよね!」
「レイリス、この2人何処で殺すの?」
「「ひっ!?こ、殺さないでくれ!!」」
「黙れ、『
そんなに死ぬのが怖いのか?俺にはよく解らん感覚だな。
「ありがとユッキー。そうね…この男2人と会ったあの遺跡でいいんじゃない?」
「ん、わたしもそれに賛成」
「では、こいつ等を運ぶのは我に任せて下さい。女性にこんな汚物を触れさせるわけにはいきませんからね」
「そういうことなら俺も手を貸しますぜ隊長」
そういえば、ズワルトの奴こいつ等が死ぬところ見たいのか?訊いてくるか…
「バルバ、俺は一旦邪神のとこに行ってこいつ等の処刑を見たいか訊いてくるから、先に行っててくれ。用が済んだら直ぐそっちに行く」
「了解だ。では、待っている間に準備を済ませておく」
「頼んだ」
そして俺は再び
「おやおや、悠貴じゃないか。こんな朝早くにどうしたんだい?」
ズワルトは俺が突然現れた事に驚くことなくそう訊いてきた。
「実は昨日俺の同郷の人間を2人捕まえた。で、先程尋問をしてみたが、特に大した情報を得られなかった。これから行う予定の作戦にも使えないから、生かす価値も無いという訳でさっさと殺すことにした。その処刑を今から行うんだが、見に来るか?」
そう言うと、ズワルトは目を輝かせながら首を縦に振りまくった。
「是非とも行かせてもらうよ!処刑をする場所は何処なんだい!?」
「落ち着けズワルト、俺が連れて行ってやるから安心しろ。あぁ、それとお前に頼みたい事があった」
「それは何かな?」
「処刑の前にこの世界へ俺達を転移させた理由を伝えてやってくれないか?お前の好きな表情が見れるかもしれないぞ?」
「………それはナイスアイデアだね!流石悠貴だよ!」
「そんじゃ、行くぞ『
魔力感知でレイリス達の魔力を見つけ魔晶石で魔力を回復後、ズワルトを連れてレイリス達の元へ
レイリス達の元へ着くと、小さな2本の柱にそれぞれ磔にされている
「待たせたな」
「おかえりユキ」
「邪神様もやっぱり来たのね」
「僕は面白い事が大好きだから当然だよ」
さて、仕上げといくか…
「ファニス、あのアホ2人を起こしてくれ」
「了解ですユキさん、『
「「あばばばばば!?な、なにすんだって、ここ何処だよ!?」」
「邪神、言ってやれ」
「りょーかい」
ズワルトが前に出て
「やぁ君達、久しぶりだね。僕の事が判るかな?」
「し、知らねぇよお前の事なんか!それより助けてくれ!」
「判る訳ねぇだろ!お前も祟り神の仲間なんだろ?殺さないように説得してくれ!」
「はぁ………これだからただの人間はつまらない……」
「今なんて…?」
「なんでもないよ。判らないなら教えてあげよう。僕はね、君達をこの世界に呼び寄せた神だよ。あの時のヒトガタが僕なんだ。それで、君達をこの世界に呼んだ理由は…」
「戦争経験の無い子供達が戦争をしたら、どんな面白い事が起こるか見たいからだよ」
「「はっ?」」
ズワルトから発せられた一言について、数秒ほど理解できなかったのか固まっていた。
それからまた数十秒程経つと、目に涙を溜めながら憤慨し始めた。その表情を見てズワルトは満足そうな顔をした。
「ふ、ふざけんな!そんな理由で俺達をこの世界に連れて来たのか!」
「なんで俺達なんだよ!!」
「さて、良い表情も見れたことだし、もう殺っちゃっていいよ皆」
「分かったわ」
「はーい」
「えっ、ちょっ…」
「『
「『
「『
レイリス、シエスの魔法で首を刎ね、ファニスの魔法で柱諸共消し炭にした。
3人共、中々の火力だったな。
「良いモノを見せてもらったよ。それじゃ、僕はこれで。また何かあったら教えてね」
「分かった」
ズワルトはそう言うと魔王城へ帰って行った。
「はぁ~スッキリした!」
「同感です」
「結局俺達は何もしませんでしたね隊長」
「そうだな……」
「よし、俺達も帰るぞ。バルバ、今回も世話になったな」
「この程度なにも問題無いぞ。食事の恩返しとでも思っていてくれ」
「分かった。それで、お前らは朝飯食ったのか?」
「いや、まだだぜユキ」
「なら、朝飯作ってやるが、来るか?」
「もちろん行かせていただきます!!」
「凄い食いつき…」
「ハハハ…ファニスはもうユキ殿の料理の虜だからな……」
家へ戻り、シエス達に朝飯を振舞った後は、特にやることもないため、今日はのんびりと過ごした。
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