第3話 交友関係
彼とは幼少期からの知り合いで父親に紹介されたのが始まりである。
父親に連れられてついて行ったら城に入ることになってたし国王がいるのにも驚いたしその息子を紹介された時も驚いたよね。父さん一般家庭出身じゃなかったの…? なんで国王と知り合いなの? え、過去旅してる時に若い時の国王様と会って意気投合した? セカイッテセマインダネー。
というわけであったのが彼である、それと彼の婚約者にも会ったことがある。
少しきつめだが彼のことを一番に思っているとてもいい子であった。過去に私にだけ話してくれたのだがもしも彼が本当の意味で愛せる女性が見つかったのなら自ら身を引くとまで言っているぐらいとてもいいと思える子だ。礼儀を一番に考える言動をするせいか多少辛辣な言い方になってしまうのが玉に瑕ではあったが、今は高校生になったのだし多少はまともになったと思う。もしも治ってなかったら…まぁ、助言ぐらいはしよう。
ちなみにここに来た理由だが彼が何か話があるそうだ。
正直どうでもいい話かもしれないが重要な話だった場合凄く困る。そもそもこの世界が乙女ゲー世界なら彼は間違いなくメインの攻略対象だ。幼少期は婚約者に不満も抱いていたし要素としては充分。個人的には彼女といい仲になってほしいと思っている。どうやら彼は王子として扱われるよりスペルド・トライピークスとして扱ってほしいらしい。だが婚約者である彼女は王子として恥ずかしくないようにしてもらいたいらしく凄い細かく注意をするらしく彼は王子としての自分にしか興味がないと思っているようだ。
「ところで何の用なんだい? 深刻な話でなければいいが」
「あぁ、それは大したことではない。リサがまた君と話がしたいとのことだ。2年ほどまともに会話をしていなかったようだしな」
そういえば婚約者と婚約者のいない男がみだりに会うのはまずいとのことでどうしても会いたいならスペルドを通すように言っていたんだった。それにしても話とは何だろう。またスペルドのことだろうか、2年も助言をしていないのなら流石にちょっとどうすればいいのか分からなくなっているのいるのかもしれない。
とりあえず今度会う約束を取り付けた。久し振りに何を話そうかな。
「そういえば何かいいことでもあったのか?」
「ん? どうしてだい?」
「さっき教室で見ていたが妙に機嫌がよさそうだったからな。なんだ、婚約したい女でも見つかったのか?」
「……」
「…なっ!? そ、そうなのか!?」
思わずピシリと固まってしまった。スペルドは適当に言っていただけなのか、思わず身を乗り出して私に迫る。そんなに珍しいか、と思ったがそういえば婚約者も連れずに特に作ろうともせずに過ごしていたからそういう気持ちがないと思われていたのかもしれない。
「ちなみに相手は誰だ?」
「……隣の席のレティシア・エルミールって子、自分でも驚いたよ。一目惚れとはこういうことを言うんだとね」
そういうとスペルドは驚きながらも何かを思い出すかのように顎に手を当てた。
少しの間そうしているとふと思い出したかのように顔を上げる。
「エルミール、確か南東の方にあった町を治めている家の名前だったはず。農業が主で最近急激に実績を上げて貴族の仲間入りをしたとか」
「彼女もそんなことを言っていたね。所謂成金だがそれに奢る様子はなかったから僕は好意的に見ているよ」
「惚れた弱みと言うわけではないだろうな…」
そんなことはない。
いままで貴族入りにしたものは何人かいたが庶民を見下すような者ばかりであり、その後破滅するものが多かった。いきなり上に立ったと勘違いし傲慢になりさらに上に噛みつくものが多かったのもある、私にもすり寄ってくる令嬢も多かったなとため息が出る。
「それでその令嬢と婚約するのか?」
「したい…と言いたいけど今僕が言っても信じてもらえないだろうね。立場が立場だ、ゆっくりと距離を詰めていくことにするよ。無理強いはよくない」
「まぁ、お前がいいならいいさ。…また一年よろしく頼む」
「…あぁ、頼むよ」
最後にスペルドと握手をして私は部屋を出た、どうにも彼と話すときは多少かしこまってしまう。出来るだけ友人のようには接していこうとは思っているのだけども…これが社会人のサガか…。
頭をガシガシ掻きながら帰路に着く、とりあえず…明日はもうちょっと話せるようにはなりたいな…。
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キャラの説明を書きながら話を進めるの難しい…
次回は別キャラの視点をちょっと書いてみたい
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