人間だった、人間たち

第29話 人喰い鬼編⑪

俺はリリスを探して廃病院を駆け回っていた。

「リィーリィースー」

前にリリスに「変わったな」と言われたのを思い出す。

実際そうかもしれない、、

前の俺なら、廃病院を走り回るなんて怖くて無理だったし、リリスと一緒に亜種と闘うなんて、できなかった。

いや、、やりたくなかった

だけど今は訳が違ぇんだ。

俺はどうしても、『かたきうち』が、、『復讐』

がしたい。

殺された家族の無念をはらしたい。

―バリバリィッッ

「なんだ？！」

俺は急ブレーキをかけて、その場でターンする。

音のする方へ全速力！

―俺様は正直焦っていた。

そろそろこっちもキツイ。

俺様は何発、、、技を撃った？

もう立っているだけでも辛い。

魔素は底を尽きている、もう技はだせない。

「こりゃ本格的にやべぇな、、」

俺様の背後や、頭上、床を突き破り蛇の形をした電撃が迫る。

「、、、、死ね」

こりゃ無理だわ、ってかやっと喋った言葉が「死ね」かよ、、

頭の中で『あの日』を思い出す。

、、、、、俺様は笑った。

「逃げろよ、海―」

「ウォッラァ！」

逃げろよ、海翔、、、そう言おうとした俺様は目を見張った。

壁をぶち破って登場した海翔は

体全身に魔素を纏って、電気野郎を指さすと

「リリスに何してんだテメェ！！」

、、、、、あーダリィ

せっかくカッコつけたのに、これじゃあダセェな