第20話 人喰い鬼編③

うへぇ、血がくせぇ。

その時、地面に落ちていたメスがふわりと浮くと、俺の眉間めがけて飛んできた―

「あぶねっ!」

俺は指先に魔素を込めると、メスを弾いた。


『 魔素ってのは、異能を使用する時に使うエネルギ

ーだ。意識すれば、魔素を体に纏うことが出来

る。魔素を纏うのは、異能を通して形にしている

わけじゃないから使った分を消費はしない』

『 つまり、それは実質無料でパワーアップできるっ

てことだな』

『 あぁ、こればっかりは冷静に意識するだけだ』

『 了解!』


リリスの言ってたこれが役にたったな!

指先に魔素を込めたら、いつもよりも強くなったな。普通に考えて、メスをただの指先で弾くわけないし。

ゆらゆら俺の前に、手術室のベッドに横たわっていた死体が動き出した。

「チュジュチュゥ、、、チマジョォニェ、、」

そう言ってメスを振り上げる。

「キモイんだよ!」

俺は両手に魔素を込める。

最低限ですますために、手首の先までだ。

「発勁【はっけい】!!」

「プギャッ」

死体の頭に俺の拳がヒットした。

頭がトマトみたいに弾け飛んだ。

、、、、グロ、、

「そんことより、リリスだリリス!

えっとドアは、、、

発勁【はっけい】!!」

ドアが見つからなかったので壁をぶち抜いて

最短ルートで行くことにした。

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