第19話 人喰い鬼編②

今、電車の中だった。

「なぁ〜リリス〜

なんか俺もっとカッコイイ移動方法を想像してた

んだけど」

「何言ってんだよ

普通に移動しないと、潜入捜査にならんだろ」

え?潜入、、、

「え?バチコリ突入して殴り合う感じじゃない

の?」

「てめぇは脳筋か!

まずは、相手の事を確認して、そっから暗殺だ」

ってか、、、俺の任務ってそもそもなんだってけ

俺、任務の情報なーんも知らないんだが、

「なぁ、俺らの任務ってなんなんだ?」

「あ?お前聞いてなかったのか?

そもそもお前は、東京の世田谷区に住んでんだ

ろ?」

「あぁ、そうだな」

それがなんだよ

「だから、東京の中の任務をするわけだ。

今回はある廃病院に行くんだが、

そこに入っていった女子高生が行方不明になっ

た。生存の確認と、亜種がいたら、殺す」

ほへ〜、それが任務か。

女子高生が入っていったって、肝試しとかか?

「なるほどな、分かった!」


「ここが廃病院か、気ぃ引き締めていけよ海翔」

「おう!」

廃病院に入る。

ポタンポタンと、水滴の落ちる音がする。

控えめに言って、かなり怖い。

「なんだよ海翔、ビビってんのか?」

「あ?んなわけねぇだろ!

ここの何にビビる要素があんのか分っかんねぇ」

フッ、ビビってねーし、怖くねぇし。

「海翔、お前怖くねぇわりには歩くの遅ぇな」

俺はまんまとリリスの挑発に乗って走り出した。

「怖くねぇからぁ!!!」

「おいっ!待て海斗!」

ぐにゃ、目の前の壁が歪んだかと思うと、

壁から手みたいなのが沢山はえて、

俺を壁の中に飲み込んだ。

やべぇ、調子乗りすぎた。


「いやー、まんまとはぐれたね!

迷子のリリスを探しますか!」

壁に飲み込まれた俺がたっているのは、


―壁に返り血が大量に付着した手術室だった。


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