第12話 御札と苦痛の無い世界

「ガァァァァッ!

ああああああああぁぁぁ?!」

俺は左目を押えて、悶絶した。

俺の腹に謎の御札を突きつけた、りんとか言うやつも目の前にはもう居ない。

どーなってやがる。

―ズルッ、ボトッ

「え、、なん、で?」

俺の右肩が落ちた。

痛みもなく、自然と

「なんだコレ、痛くねぇけど、目は見えねぇし

右手はないし、不快感がえげつねぇっ」


―同時刻、本部

「リリスちゃんっ、良かったのぉ?

―多分死ぬよ、あの子」

りんはいつになく真面目にそう言うと、

俺様を横目で見る。

「あぁ、俺様を助けてくれたとはいえ、

俺様が助けたら意味がねぇ。

異人でいることは今あいつが感じてる、地獄を

常に身にまとってるようなもんだ。」

俺様はモニターに移される少年―海翔を見る。

少年の腹には、御札【チェック・エレメント】

が貼られている。

それの効果は至って単純だ。

対象の体を、死へと近づける。

そして反射的に出た反応を、御札が吸収して、解析する。

「俺様の勘が正しければ、

アイツは四大元素じゃねぇな。派生だ。」

「えぇ?!それほんとぉ?!

もしそぉーなら、すっごぉいじゃぁん!」


「フゥ、、、、フゥ、、」

左目、右腕、左手の指、足の膝から下

それらはもう無くなった。

「死ぬのかな、俺。痛くもなんともねぇ。」

ズルッズルッ、何かが近づいてきている。

「、、誰だ?」


御札【チェック・エレメント】の恐ろしいところは、ここからなのだ―

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