第7話 俺が人間を辞めるまで―開幕
「キャァァァァァァァ!」
俺は莉乃の悲鳴で我に返る
土下座から顔を上げた瞬間だったから
一瞬、莉乃が降ってきたのかと思った。
、、怖かった。また目の前で大切な人が死んだかと思った。
「おいお前、俺様は用事が出来たから
お前は莉乃を連れて帰れ!」
「あぁ、、分かった」
きっとリリスは亜種を探して戦うんだろうな
「莉乃!行こう!」
「え、、あっうん!」
俺は莉乃の手を引いて走り出す
莉乃の家まではここから10~15分
俺ん家は5~10分
なら俺ん家に行く方が早い!
「莉乃!今はとりあえず俺ん家行くぞ!」
「う、、うん」
「悪ぃな今あんまジュースなくてさ
コーヒーで我慢してくれ」
「ぜ、全然!気にしなくて大丈夫だよ!!」
それっきりお互いに黙った。
カタッ
時々コップの音が響く。
「か、海翔はさ!こういう状況初めてじゃない
の?」
「え、それはどういう―」
「あっ!違うの!
なんか冷静だったからさ、、不謹慎なこと言って
ごめん」
「いや、気にしてないけど、、、」
莉乃には、、言うべきだろうか。
思い返せば莉乃はいつだって俺と一緒にいた。
楽しい時間も悲しい時間も共有してきた。
それなら―
「あぁ、初めてじゃない」
「え、、」
「俺の両親のこと、先生が話してただろ」
先生は事故で亡くなったと話していたはずだ。
「たしか、事故で」
「実は、違うんだ。亜種に殺されたんだ」
「え?それ、ほんと?」
思い出すだけで胸が痛い、
「あぁ、俺の親を殺した奴はまだ生きてる
ある原種が、仇を取ってくれると言ってくれたん
だ」
そうだ、リリスは―
ガタッ!!
「じゃあ!!藤宮さんは今、危険なんじゃない
の?!私、行ってくるよ!」
「お、おい!!」
玄関のドアの音がリビングまで聞こえてくる。
あいつ、まさか亜種のところに?
「待てよ!」
聞こえないとわかってるのに、
俺は一言大きく叫ぶと、公園へと走り出した。
「チィッ」
俺様―藤宮椛は銀髪の少年と格闘していた。
公園は俺様の掛け声により、避難済み
だが、まだ亜種がここにいるところを見ると、
狙いは一般人ではなく、原種
「おい、狙いはなんだ。言ってみろ」
「黙れよガキが、話しかけるな
不愉快だ。」
右後方から風を切る音!
俺様は左へ大きく飛び回避すると、
相手の懐に素早く潜り込む。
「炎の拳【バーン・フィスト】!!」
ボウッ!
火の粉が辺りを舞う
炎をまとった俺様の拳を受けて無事でいる訳―
「やるな」
煙の中そいつは、悠然と立っていた
「その程度か?」
ブシュ、グシャッ
?!俺様の左肘から下が切り落とされた。
どうやった?見えなかった。
「俺様が反応、できなかった?」
「そういうことだな、つまりお前はその程度だ」
顔を上げるといつの間にかそいつはそこにいて
手刀をおおきく振りあげると、
俺様に目掛けて振り下ろす。
ズバッ!!
辺りに大量の血が撒かれた
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