貪欲クソ野郎が真人間になるまでの半生日記

@art18

第1話自己紹介

俺の名前は武本 歩良。一応これであゆらと読むと付け加えておこう

俺の家は金持ちで何不自由なく暮らし…な~んて夢物語があるわけない、俺の家が金持ちなのは確かだが出来のいい弟のお陰で俺はお役御免だ。

そんなんだから飯もまともに食えていない…

そんな俺が今スーパーにいる…買い物?いやいや違うね、

『盗み』さ。

もうこの生活には慣れた…疲れるけど

俺は弁当を持っていたバッグに詰めた。

誰も見ていない、監視カメラもない。

なんてことはない、かんたんな作業だ。

今日もこうしてバレずに家に帰った。家ではシェフ自慢の料理が弟のために作られ、弟の席に並べられ、それを弟が食べている…うまそう。

けどまぁスーパーの飯だってそうそう負けていない、買った人の気持ちを考えて一つ一つ丁寧に…俺は買ってないじゃないか…愛の1つも感じられない弁当を頬張り眠りにつく…今日も独りだ…

朝起きるとまずは身の回りの確認だ。

そしてその後俺は弁当を盗みに行く。朝飯だ。

毎日ずっと外で暮らし、朝昼は遠くのスーパーで盗み、夜は近所のスーパーで盗む…これが俺の日課なんだ…これでも幼い頃は愛されて育っていた…けど出来損ないの兄よりよくできた弟なのはよくある話だ。

そんな風に毎日を過ごしているとある一人の少女とであった年は…俺の2つから4つほど年下だ。

俺の年は11なので弟と同じく七歳ほどだろうか?とてもそうとは思えないほどに貧弱そうだな…

「これ…やるよ」

俺はその時持っていた盗んだ弁当を渡した。

そんなものを上げるのはどうかと思ったが俺なんぞが食うよりよっぽどいいだろう?盗んでる時点でそんなこと言えないかもだが。 少女はとても驚いていたが受け取るととてもいい笑顔でこちらを見た。それが彼女との出会いで、俺の人生が大きく変わる…歯車のきっかけだった…。

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