第3話

クラスが違うからな。

まさか、俺の好きな女子、ミドリと、

罰ゲーム告白の相手が同室だなんて把握できてないのも致し方ないよな。


さて。


ディープキスを見られた俺は、

完璧に困り果て、

この場から逃げることにした。


幼馴染、林ユーコの右手首を取って。


「ユーコ、ちょっと話がある。

すげー、大事な話」


「な、なに??」


女子部屋、鶴の間から出て、

俺は林ユーコに廊下で真実を告げた。


見回りの先生に見つからないうちに、

要点だけ告げて、とっとと男子部屋に戻ろう。


「ごめんだけど、さっきのは罰ゲーム告白なんだ。

お前に、罰ゲームと、きちんと伝えようと思ったら、キスで俺の口を塞ぎやがってからに、

言えなかったから、今ちゃんと言う」


「はぁ!?罰ゲーム告白ですって?」


「そう罰ゲーム告白」


「だからな、俺はお前のこと、好きとかじゃないんだ」


「ふん。そんなの認めないわよ」


「え」


「好きって言ったんだから、その言葉に責任持ちなさいよ」


ユーコは怒った顔してた。ま、無理もないな。

罰ゲーム告白なんて、失礼だもんな。


「いやしかしな、そうは言っても、

俺には他に好きな人がいてだな...」


「はぁ!?それ、益々、ムカつく!」


今度、俺は、ぎゅむ!と林ユーコにハグされた。


「や、やめろ、やめ、、、」


「嫌よ。やめない」


「何だよ、お前。俺のこと、好きなのか?さっきのディープキスといい、ハグといい、、、」


思い切って尋ねると。


「分からない。

ただ、キスやハグをしたいと思ったからしただけよ!」


こ、困った。


噛み付いたら離れない、スッポンみたいな

美少女幼馴染だった。


そこで、俺は。


とんでもない要求を彼女にしてみた。


そう。


女子がドン引くよーな、とんでもない命令をしてみたんだ。


「俺、ノーパン、ノープラの女がタイプなんだ」


「え」


「下着、付けてない女が好みなんだよ」


「おまえ、俺の好みの女の条件、

満たすことできんのかよ...?」


挑発的に。


そう言ったら、彼女は何と、

モジモジしながら、パジャマの上着のなかにモゾモゾと両手を突っ込んで、


「ブラジャー、外せばいいのね?」


と言ってきた...!


た、大変だ。


目がマジだった。


ま、まさか本気でやるなんて思ってもみてない!


にょ、如実に俺の命令を遂行するなんて、

マジで俺のこと好きなのかよ...?


嬉しさ半分。


焦り半分だった。

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