第4話

ど、どうする...



ここは妹のミヒロを優しく振って

マヒロ、お前のことが好きだ!と告ってみるか!?


俺が迷っていると、

マヒロが口を開いた。


「何してんの?シンジもミヒロも。

もうじき授業始まるよ。


私は移動教室に行くとこだけど」


今は女子バレー部のエースアタッカーで

ベリーショートで男みたいな髪型になっちまったが、

昔、マヒロは美少女だった。


それもポニーテールの。


だからこそ、俺はポニーテールの女が好きだ!

とついさっき宣告したんだ。


「お姉ちゃん!私ね!

いま、シンジ先輩に告白したんだ!!

だから返事待ち!」


「ふーん...」


マヒロの奴は顔色ひとつ変えない。


...くそっ!と思った。

このとき。


例えば、マヒロのリアクションとして、


ええーっ、だめよ、私がシンジのこと

好きなんだから!と言ってくれたら嘸かし楽なのに。


そーなったら俺は、


仕方ねぇな。マヒロ。おまえと俺は同い年だし、幼馴染だから

おまえと付き合うわ!とカッコよく言えるのに。

そうはならなかった。

マヒロと俺は同じクラス。

そして、ユーマも同じクラスだった。


「次は音楽の授業だよ。とっとと教室にリコーダー取りに行かなきゃなんじゃない?

言っとくけど、あと、三分で授業始まるんだからね!」

「ミヒロも!とっとと一年三組に戻りなさいっ!」


「はーい!」


ミヒロはくるりと向きを変えた。


「先輩!いい返事期待してますからね!」


「え、えーっと...」


今。女女してるのは妹のミヒロ。


この前行われた文化祭の美少女コンテストで

二、三年の綺麗な女子の先輩たちを差し置いて優勝したのはミヒロだった。


マヒロだって、髪の毛伸ばしたら

絶対負けてないのに。

マヒロはボーイッシュということもあり、

エントリーすらしなかったんだ。



姉妹なんだから、マヒロもミヒロも両方美人。


それにな、俺からみたら、

マヒロの方が可愛いと思うんだ。

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