5
「行けお前ら」
四人ほどが殴りかかってくる。それぞれが殴り飛ばす蹴り飛ばす。
その中、コソコソと女子高生を連れて逃げようとする男が一人。脇腹にはナイフが突き立てられているため声は出せず、必死な目線に彼らも気づけない。
「そこまでな〜」
突如として男の頭にカチャンと頭に何かが突き立てられる。
「な、」
「本当に弾入っとるん?」
物珍しそうに眺めながら笑う羊。
「あんたがその子にナイフ突き刺すのと私がコレをぶち込むの。競争する?」
フードの下にちらりと見えたその目は笑っているものの光はない。
「分かった、分かったから!」
そう言って女子高生から手を離す。
「……な〜んてな」
そう言ってナイフを振りかざす男の手からナイフが飛んだ。
「まだやる?」
冷たい目で見下ろした少女の耳には青いイヤリングが光っていた。
「あの、」
何か言いかけた女子高生にシーっと人差し指を立てる。
「もうすぐ警察が来るから俺らのことは内緒にしてな」
「僕らのことは君と僕らだけの秘密だ」
人懐っこい笑みを浮かべたウサギに微笑んだ猫。
「よろしくね、栞ちゃん」
「なんで私の名前……」
「んー、なんでだろうね」
そう言って笑った彼らはバイクや車に乗った。
「またね」
妖しく笑った彼らの耳のイヤリングが優しく輝いた。
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