「ちょ、法定速度ヤバいっすよ?」

 慌てるパンダに答えない猫。

「あーこれはキレてるね猫ちゃん」

「猫はキレたら黙るからなぁ」

 妖しく笑った狐に愉快そうに笑ったウサギ。

「羊ちゃん、僕追いつくけどいいよね?」

「無理はいかんよ無理は」

 無理じゃないからいいよね、と目を細めた猫。そのまま車を追い抜かしドリフトをする。

「え、ちょ」

 当たる!と目をつぶったパンダ。

「信じて」

 次に目を開けたパンダは声を上げそうになる。バイクギリギリで車が止まっていた。

「なんだてめぇら!!」

「パンダ、十時の方向にいる」

「了解です」

 そう言ってライフルを構えるパンダの目にさっきのびびった様子は見えない。

「誘拐しといて女の腕に傷?ふざけんのも大概にしろよ」

 完全にブチギレた猫は得意とするテコンドーの構えをする。

「いい所悪いんですけど、俺らも混ぜてください」

「仲間傷つけられといて黙ってられんもんなぁ」

 ここで到着する車組。

「さ、始めようか」

 フードの下で彼らの口角は上がった。

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