「どしたん!?」

「分かりません!」

 状況の見えない車組は車を走らせつつ他の応答を待つ。

「音的に猫ちゃんたちか……まずいな」

 パニックなりかけのウサギとネズミとは裏腹に冷静な羊。だが、ハンドルを握るその手には汗が浮いていた。

「狐ちゃんと柴ちゃん状況分かる?」

「私たちからも見えてない!」

柴犬の焦った声が響く。

「あー、あー、聞こえてんすかねこれ」

 そしてそこに聞こえたパンダの声。

「状況は?」

「狙撃されました。恐らく私服警官に間違われたかと思われます」

 冷静な問いかけをする狐にパンダが答える。

「撃たれたんですが、猫さんの腕を掠めてそのままバイクは横転。俺が逆から狙っていくつか打ちましたが威嚇にしかなっていないかと」

「ったく、ホントにありえない」

 念の為動かないでください、というパンダの声と殴らないと気が済まない、と言う猫の声が聞こえてきて全員が安堵する。

「柴ちゃん使えなくなったらごめん。私の譲るから許して」

「売ろうと思ってたやつだから大丈夫〜」

 完全にブチギレた猫はパンダを掴んで後ろに乗せ、そのまま発進する。

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