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ぶるっと身を震わせた猫に大丈夫ですか、と顔を覗き込むネズミ。
「嫌な悪寒が走った」
「マジですか?」
こういうときの貴方の嫌な予感って当たるんですよ、と顔を顰めたネズミはちゃんと被っててください、と続け、猫のフードを深く被せた。
「ん、ありがとう」
「猫さん達いたっす!」
重なった声。猫とネズミは嫌な予感をそのままに本能的に走り出した。
「なんでアイツらこっち来るの!?」
「知るわけないやろ!」
「ネズミ切羽詰まってるねぇ……」
珍しく零れたネズミのタメ口に狐がふふっと笑う。
「猫さんもネズミもなんで逃げるんすか!」
「仲間が困ってるんやで!?」
「こっちも困るわ来ないで!」
普段静かな猫も流石に騒ぎ出す。
「中組うるさすぎるでしょ」
「合流しちゃったかぁ」
外の逃走組はイヤホンから流れる中の会話を聞きながらケタケタと笑う。
「羊さんあとどのくらいですか!?」
「あと8分くらい」
「無理……」
冷静な羊の声に即座にフル回転するネズミの頭、そして静かに限界を呟いた猫。
「俺ら西側行くんで東側行ってください。羊さん達東側つけます?」
「任せな」
そう言ってドライバーと助手席は入れ替わり、狐は車のエンジンをかける。そうしてそれぞれがネズミの指示通り西と東に分かれて走り出した。
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