2
「全部閉じた音したね」
「しましたね」
はあ、とため息をついた猫とネズミは高い天井を見上げた。
2人は宝石を手にしたのを確認してそのままウサギ・パンダ組と逃走するはずだった。
「こりゃ警察との大鬼ごっこですね」
「僕達は退散だよ」
靴紐を結び直すネズミに伸びかけの髪を縛り直す猫。
「狐ちゃんは逃走ルートばっちりだし、外には羊ちゃんと柴ちゃんいるし」
最悪ヘマしたパンダは置いて行こう、と笑った猫に吹き出すネズミ。
「猫ちゃんたちまだ中?」
「もちろん」
しっかりと髪を縛り、フードを被り直した猫はため息と共に答えた。
「あと15分くらいで開くからもう少し待って」
「了解です」
靴紐をしっかりと結び直したネズミはイヤホンを付け直す。
「西側にバイクつけとくからどっちかこっち来てねー」
風を切る音と共にふわっとした可愛い声が響く。
「柴ちゃん、今日も可愛いねぇ」
「黙って走れウサギ」
「え、ひどくない?」
キツいパンチを喰らったウサギは必死なパンダと打って変わって少し余裕があった。
「ウサギはなんでそんな余裕なんすか」
「やらかしたん俺やないからな」
「確かに」
そう言って走る後ろには大人数の警官。
「これ2人で撒けますかね」
「無理やろ」
「そっすよね」
どうします?というパンダにいい考えがある、なんてニヤッとしたウサギの目は赤く光ったように見えた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます