会社の理念は【世界征服】

@pepepepepepepepe

第1話プロローグ的な

繁華街から少し外れた暗い路地裏の古い雑居ビルの地下二階

狭いエレベーターを降りてすぐの所に、僕の勤める会社はあります

【秘密結社ヤマモト】

会社のドアには堂々と看板が掲げられていますので初めて来た方でもすぐに見つけることができます。

秘密結社のわりに全然秘密にしていないことからみなさんもなんとなく察しているとは思いますけど、何を隠そうこの会社の人たちみんなバカなんです・・

これはそんな僕の会社の物語


小さなころからこんな会社に入るほど頭が悪かったかと聞かれると、断じて違うと言い切れる

確かに頭がいいほうではなかったが、それなりに勉強もしてそれなりの大学にだって受かった

だが現実はいつでもデンジャラス・・いろいろあって一家崩壊からの雲隠れ

詳しく言うと、僕のパパが会社に横領してたのを見つけられてしまったのだ

我が父親ながら感心するが、横領がばれてからの父さんの行動は早かった

その日のうちに荷物をまとめて母さんと二人で海外へ高飛びをキメたらしい

実の息子をほおっておいて・・・

僕はその日たまたま外泊していて帰ったら今回の事件の詳細が書かれた手紙一枚しか残されていなかった

「会社は警察には駆け込めないから安心しろ!だが捕まったら大変なことになるから頑張って逃げろよ!!」

手紙の最後はそんなふざけた文章で終わっていた

【会社は警察には駆け込めない】って部分と、【捕まったら大変なことになる】の部分のマリアージュは強すぎた・・

そういえば父さんがどんな仕事をしているのか、詳しく聞いたことなかったけど・・いや、考えるのはやめておこう

そうして僕もその日のうちに地元を飛び出した

木を隠すのなら森の中、本を隠すなら大学の図書館の中、じゃあ人を隠すのは?ってことでとりあえずトーキョーへやってきた

だが、コネやツテどころか住所すら持ってない父親が現在進行形の犯罪者の僕にまともな仕事などあるはずなく・・

ある日、路地裏に寝転がって空気中のの霞をむさぼっていたところをこの会社の社長に拾われて現在に至るという感じだ

この会社は僕みたいに、社長に拾われた人が集まっている

この会社の社員はみんなバカだけど、社長に恩を返そうと各々が躍起になって働いている

僕も今は先輩達に仕事を教えてもらっている真っ最中だ

売春の斡旋業や企業相手の倉庫荒し、右から左に流すだけで価値が倍になる魔法のの輸入、対正義のヒーロー用の武器の開発etc..


そう、僕の会社の理念は【世界征服】なのだ・・・

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