勉強会
「ねぇミリア、お姉ちゃんがこれだけ苦労しているのって5歳からしているからだよね?もっと早くから始めたらもっと苦労しないと思うんだけどどうかな?」
「素晴らしいですね、アルト様はアマンダ様よりも向上心があるのですね、明日からアマンダ様と一緒に頑張りましょう」
ミリアと一緒にリビングに居たケイト先生は賛成してくれたようだ
「でもケイト先生、アルト様は夜寝られなくて奥様のお部屋に忍び込もうとしているぐらい甘えたさんですが、大丈夫ですか?」
かなり悪意がある、そんなこと考えたことないのだが
「それでしたら明日様子を見てから決めましょう、厳しくて、ママーと泣き出されでもしたらアマンダ様の勉強の妨げになりすからね」
そんなことしねーよ、俺の評価が甘えん坊って確定なのかよ、単なるタイミングが悪かっただけだろ
「アルトってすぐ私に抱きついてくるからね、困ったものだわ」
アマンダがやれやれと言った顔をしているが、いやいや抱きつくのはそっちからだろ
早くも勉強する前から心が折れそうになっているが、明日からの俺の行動を見ていれば評価は変える事ができるだろう
その日はお風呂入ってご飯を食べて大人しく寝た、またミリアに見つかるとお母様の所に行くのだと誤解されてしまう、それだけは避けたい、既に評価は下に違いが底まではいってない気がする。
次の日からアマンダと一緒にケイト先生の授業を受ける、本来であれば授業は1日おきなのだが、俺のやる気がある内に早めに始めようとなってアマンダにとっては2日連続となってしまった
「まずは字を覚えましょうね、これは全世界で使える共通文字なので覚えておくとどこの大使とでも手紙のやりとりができます、1日で覚えるのは無理なので1週間で覚えましょう」
「先生、僕全部わかりますが」
「え?優秀なアマンダ様でも3日掛かったのですが」
「だってアルトって私の弟だよ、字覚えるなんて楽勝だよ、優秀な私が教えたんだもん」
「素晴らしいですね、読むことはできても書くことはどうですか?」
「はい、何を書けば良いですか?」
「まずは名前からですね、アルベルト・リューベックと」
俺の本名アルベルト・リューベックなのね、初めて知ったわ、みんなしてアルトって呼ぶし、家族はみんな同じ姓だから呼ばれることもないしね、さささっと書いてみせる、ただ書くのは紙とペンではなく布と灰の為書き辛い、黒板みたいな魔道具もあるそうなのだが、高価な為子供の勉強の為には使わせてはくれないようだ
大事な跡取りなら話は変わるのだろうなとこの家には居ない兄のことを少し恨んだ
「完璧ですね、計算はどうですか?」
出された問題は小一の算数並み、数秒で答えられるわ
「昨日の夜にたくさん勉強したのですね、これならアマンダ様と一緒に勉強しても大丈夫でしょう」
いやこれぐらいはなんの準備しなくてもわかる問題なのだが
「今日はこの前の続きですね、歴代当主様のお話ですね」
これ絶対に眠くなるやつじゃん、過去の人が何やってたかなんて正直どうでも良いよ、今のリューベック家当主は17代目で貴族としての位はずっと辺境伯らしい、17.16.15代と遡って話を聞いていると案の定眠たくなって頭が上下に揺れる
「アルト様、今寝てましたね、それではミリアさん右手を出してください」
「はい、どうぞ」
「あの身体強化解いて貰えますか?」
「ばれました?」
「すごく滑らかな魔力操作ではありますが私の目は誤魔化せませんよ、それではいきます」
「うっ」
木の棒でケイト先生がミリアの右手を打つ、かなり強く打ったようでミミズ腫れになっている、これは思ったよりも辛い、自分が打たれた方がまだましだ
「先生、寝てしまったのは僕なので罰を受けるのは僕が受けます」
「他者の痛みを思いやるのは大切なことですが、貴族は自分の行動で他者が痛い思いをするということを覚えるのも大切なことですよ」
「アルト様ありがとうございます、ミリアは大丈夫ですから、心配しないでください。」
「ミリア痛い?」
アマンダがミリアの右手をさすっていた
「ここまで慕われているなんてミリアさんは幸せですね」
なんかジーンとくる光景ではあったが、ミリアの右手が白く光るとミミズ腫れは消えた
「え?どうしたの?傷が消えたけど」
「回復魔法で回復しただけですよ、これぐらいならそこまで体力使いませんから」
そんな簡単に治っちゃうの?俺とアマンダの心配返せよ
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