ep.10 コレクションの組み方次第で埋もれた作品がスコップされることもある

 カクヨム公式機能として実装されてから、はや一年経とうかという「コレクション」機能。

 なにぶん、星の数がランキングに直結し、連載中の長編作品が有利となるカクヨムの仕様を考えた時に、個人でコントロールできる作品紹介のお品書きと捉えると、私のような弱小アマチュアには非常にありがたい機能と言える。


 とはいえ、実装当初は、とりあえず興味本位でお試し程度に触った程度だったので、一年経って振り返ってみると、まあ、何をまとめたかったのかよく分からないジャンル仕分けにしてしまっていた。


 元々、短編を主としてウェブ公開している身なので、作品数の増え方自体は緩やかな右肩上がりという感じだから、「短編集」とだけ銘打ってコレクション仕分けしていると、全くこの機能の良い面を活かせていなかったなと反省する次第だ。

 で、ある程度公開作品が溜まってきた今、改めて自分の作品一覧を俯瞰して吟味した時に、傾向として多いのがやっぱり「童話・児童文学」的な小作品であることを認識した。

 作品作りの根本が子供から大人までという、いわゆる万人受けを念頭に置いているから基本、過度のエログロ暴力は極力避けているのだが、かといって流行の最先端を追うような題材は扱っていないという矛盾だらけの我が小作(笑)

 まあ、世間の需要より自分の書きたいものを優先すると、そうなるわな(今更)


 それはさておき、せっかく実装されたコレクション機能、ここで一度テコ入れをしておくことにした。


 公式ジャンル仕分けによる、私の作品ジャンルは、ほとんどが「詩・童話・その他」に分類される。

 これが大カテゴリーだとしておくと、その下にぶら下がる中カテゴリーが「童話・児童文学」と「詩歌・エッセイ」にほぼ二分される形だ。

 そして、「童話・児童文学」内で更にセクション分けすると、小カテゴリーが「真面目路線」と「コメディー・ナンセンス路線」に分岐するなあ……と、冷静な視点で分類するに至ったわけである。


 何が真面目で何が否かは、個々の感じ方次第で様々であることは承知だが、とりあえず、パッと理解できる平易な表現と漢字とひらがなのバランスは前提として意識している。

 あとは、必要以上に情報を詰めすぎない、という点も私の中では重要事項だ。行間を読み手の空想で埋めてもらうイメージで、あえて引き算を意識した塗り絵のような作品を、私の場合は真面目と認識している。

 悲喜交々、余韻重視型の作品群を「ほのぼの・しんみり」でカテゴライズしておいた。


 じゃない方=コメディー・ナンセンス路線は、基本的にツッコミ重視型である。

 こちらは、私のジャンルではホラーとSF傾向が強い。

 自分で言うのもなんだが、アタマおかしいんじゃないかという設定を「あたかもそれが常識であるかのように」ご機嫌で書き綴っている。

 小さい子から大人まで、それぞれのベクトルで楽しんでもらえるよう細かすぎて伝わらなくても問題ない仕込みを捏ねて混ぜてあるので、ハマる人には、多分ハマる(笑)

 あとは、公式ジャンルでホラーとSFが確立されているので、その大カテゴリー路線を踏み外さないよう意識はしているが、児童が読んでトラウマになるような書き方だけはしないよう心がけている。

 あくまでも、笑ってほしいホラーとSFなのである。

 というわけで、じゃない方を「おバカ&ナンセンス・ユーモア」としてカテゴライズしておいた。


 この辺り、作品が増えてきたらまた分類が変更になってくることだろう。

 こまめなテコ入れ、これ大事。


 もう一つの「詩歌・エッセイ」については、私の場合、主力は短歌だ。

 カクヨムのどこに需要が転がっているのか自分でもよく分からないが、ただただ死ぬまで続けたいライフワークの一貫で更新している不定期連載作品である。


 アタマの体操でもあるし、限界まで言葉の取捨選択を研ぎ澄ませる訓練と、自分の観察眼を徹底的に養う目的で詠み倒している短歌をそのままエピソードタイトルに放り込んだ。

 本文は蛇足程度の添え書きと思って始めたが、思わぬコロナ禍に見舞われた結果、旅行紀行文風のエッセイとして形ができた。

 すると、アマチュア、セミプロ作家同士のオンライン上の交流が、比較的活発な作品に育ってる感があるので、私としては狭いパイとは言え嬉しい誤算である。


(コメントもそうだし、互いの作品を自発的に読み合いに行く率が一番高い。ある意味、ヨコの繋がりが脈々と続くのがエッセイや詩歌の踏み跡からだったりする印象)


 以上の個人的主力作品のカテゴライズを見直してコレクションを組み直した結果、一年以上前に完結した小作品を立て続けてスコップしていただける機会に恵まれた。

 ありがたいことに星も投げていただいた結果、二日後にはランキング外から一気に28位に浮上するというサプライズが起こった次第である。


 これには、私も心の底からおったまげると同時に、どちらに向いて頭を下げたら良いのか分からないので、とりあえず地面にめり込んで「ありがとう」を叫んでおいた。


 私の場合は五つのコレクションに分類したが、作品数の多い書き手さんなんかは、10以上のコレクション仕分けをされていたりする。


 仕分け方法も様々で、連載中をメインに据えたコレクションや、星の数ランキング形式でまとめてあるコレクションなど、必ずしもジャンルを重視していなかったりするので、書き手の自由な個性が垣間見えて非常に面白い。


 コレクション機能、ぜひ使いこなすに越したことはないと、今更ながら痛感したこの頃である。

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